自分のボトルネックを考え直すきっかけとなる一冊
★★★★☆
製造業などでは、前工程の生産性が高くても、その後の工程の生産性が悪ければ、結局はいい
アウトプットを生み出せず、後工程の生産力が制約になることは当たり前ですが、この本では
これを個人の人生に置き換えて、「自分の思考を制約しているボトルネックは何?」と問いかけます。
ボトルネックを大きく、「知識」・「選択」・「生/活力」に分け、それぞれをさらに3つに分けて
詳しく説明されています。
この中でも特に「選択」が最も重要であると著者は主張します。
「自分は誰なのか?どういう道に進みたいのか?その前提となっているのは何か?」
常に問いかけなければなりません。
これまでの人生を振り返ると、徐々にボトルネックが移ってきていて、この「選択」が特に
重要なボトルネックになってきていると感じます。
改めて自分のボトルネックを考え直すきっかけになる本かと思います。
最後の章で気づかされる。。。
★★★★★
読み終えた時に思ったのは、来年もう一度読んでみよう、ということです。
最終章以外の章は、タイトル通りの内容ですが、初心者でも分かり易く解説がされており、丁寧な作りだな、と思います。
そして、最終章で今までの内容から一気に飛躍することになりますが、この本をタイトルから手にした人は、ハッとさせられるかもしれません。
私はハッとさせられました。人は知らず知らずの内に、考えているようで考えていないのだなぁ…と。
仕事のことは、頭をフル回転して考えていても、じゃあ、今の職業に就業していることは、将来のことは、家族のことは、人生のことは…。
人生とは、「考える」ということなのかも。。。
若い人向け、これからの仕事を効率良くし、人生を豊かにする本
★★★☆☆
ゴールドラット博士が提唱し、近年は企業人の必須知識とも言えるTOC(制約理論)を人の思考に適用する。仕事が出来る人は何が違うのか。思考にも工場やSCMと同じようにボトルネックがあると著者は主張する。
TOCについては、最初に簡単に理解できるよう説明してあるから、知らない人でも大丈夫。興味が湧いたら、というか湧くだろうが、ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何かや全体最適の問題解決入門―「木を見て森も見る」思考プロセスを身につけよう!を読んでみれば良い。
本論に戻ろう。思考のボトルネックを著者はMECEの考えに従って、知識・選択・生/活力と分類する。私たちの仕事はTOC通り、この3つのうち最低の能力に見合った結果しか出せない。
本書では、さらに知識を情報・手法・技法に分け、これらの向上方法を様々提案している。いずれも企業人としては欠かさざるものなので、出来るだけ若いうちに本書の考え方を知っておいたほうが良いと思う。
・情報は本やネットで得る。テレビのドラマやバラエティに時間を費やすなど、緩慢な自殺に等しいと言い切っており、清々しい正論だ。
・手法はフレームワークを覚える。MECEや分析の3C、マーケティングの4Pなどのことだ。
・技法は情報と手法を実際に生かすワザだ。練習やロールプレイで習得する。
本書は知識のボトルネック解除方法について最も頁を割いている。実行して一番効果が上がる部分であり、若者が足りないところなのだろう。
選択は自分の人生や職を選ぶこと、生/活力は健康や好奇心のことだ。
思考をボトルネックという切り口で説明しているのが新鮮で気付きが得られる一冊。
★★★★☆
アウトプットを決めるのは「思考のボトルネック」であり、
知識・選択・生/活力のどれか一つでもパフォーマンスが低いと
アウトプットの質を制限してしまうと本書で説明しています。
ビジネスマンのアウトプットを「ボトルネック」で説明している視点は新鮮ですが、
知識の説明以外は筆者の思いが先行してしまい、まだまとまっていないのかなと感じました。
知識のボトルネックに関しては情報・手法・技能の3要素に分解し、
各要素についてボトルネックの底上げのヒントを説明しています。
ボトルネックの底上げ方法について、読者それぞれ固有のボトルネック要因があるという前提で
方法論と参考文献を挙げており自分のボトルネック解除のきっかけになると思いました。
本書にも書かれていますが、自分に頭打ち感がある方は是非とも一読してみて下さい。
意外なボトルネックが見つかるかもしれません。
誰にでも同じことがいえると思う
★★★★★
あまりこのジャンルの本は読まないのですが(いわゆる、自己啓発本の類)
縁あって読んでみる事にしました。
読みやすい語り口・記述で一気に読めまして、なかなかいい買い物が出来たと
思っております。
で、本題
本書は誰もが一つは持っている「脳」を最大限に生かすフレームワーク、考え方、
技術についてわかりやすい例を交えながらそれを自分自身に適用してみよう、
と指南して下さる一書だと思います。
私が本書を良いと思ったのは、指南するだけで終わるのではなく、その先に
何があるか、何のためのボトルネックの解消なのかを大きな視点で語って
いる点で、筆者の人となりが見えて非常に好ましいと思いました。
そういう意味では、本書のハイライトは全8章の構成中、最後の2章ではないかと
思います。