ありがち設定の逆バージョンなので、結構面白く読める。
★★★☆☆
よかったですよ。
笑えるとか面白いってんじゃなくて、純粋に「よかった」
好きな人が出来て、その人とご飯を食べにいったり釣りにいったりという時間を緊張しながらも待ち遠しく思い、楽しく過ごす。
次の約束が出来るのかとか、些細なことに一喜一憂する。
自分がエリートであることに逆に引け目を感じ、エリートで凄いと言われたくないと普通ぶる。
そんなゲイリーマンのノンケ男への恋は、エリートでもなんでもかわいい。
好きな相手に迷惑にならないように時間を気にしたりする姿もなんかほのぼのしているし、今まで体験したことのないことを教わったり彼と一緒にやってドギマギしているのもほほえましい。
何か特別なイベントやハプニングはないけれど、読んでいて自分の昔を思い出した。
ああ、こんな普通にただ人を好きになるっての、あったなあ・・・とか。
つまらないかもしれないけど、なぜか読んで損した気にはならなかったので、一応おススメです。
脇キャラも個性的で面白い。これは谷崎作品では常套ではありますが。
でも全体的にはいつもの谷崎作品にしては、日常生活メインではなく、まさに恋バナメインで、そういう意味では意外というか新鮮に感じました。