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雨にぬれても (幻冬舎アウトロー文庫)

価格: ¥520
カテゴリ: 文庫
ブランド: 幻冬舎
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人生いろいろ、人もいろいろ、と思える一冊。 ★★★★☆
 中学生のとき、ラジオの深夜放送を聴くようになったが、意味もわからず洋楽を好んで聴いていた。表題の「雨にぬれても」もよく聴いていた。
 Raindrops keep fallin’on my head レインドロップスまでは聞き分けられても、中学生坊主になりたてには、後が続かない。が、まあ、いいさという感じでハモッていた。
 ただ、漫然とながら、明るい未来が開けているように思えた、のだが。

 いまや、この短編に登場する方々までには至らないにしても、大なり小なりの艱難辛苦に遭遇してきたので、他人事とは思えない。
 他人の不幸は蜜の味、というけれど、とてもそう思えない。
 決して、人生の応援歌ではないが、さりとて恨み節でもない。
 そんな一冊です。
市井の人々の苦しみや悩み、そして喜びを知ることで ★★★★☆
冒頭にバート・バカラック作曲、ハル・デヴィッド作詞の『雨にぬれても』の田中まこさんの訳詞が掲載してありました。そのラストに「幸せが訪れる日は それほど遠くないはず」と締めくくられています。本書の読後感に当てはまる内容でした。ルポライター・上原隆が人に会い、書き綴った30のノン・フィクションのタイトルの意味がそこに潜んでいるのを感じました。

『友がみな我よりえらく見える日は』『喜びは悲しみのあとに』と順に読み進めてきました。今回もそうですが、本書に登場する人物は、皆何かしら大変な重荷とともに人生を生きています。他者からみれば相当厳しい状況を背負っている人もあり、読み進めるのが苦しい話もありますが、実話ゆえ、しっかりと受け止めるべき内容が収められています。とはいうものの筆者の捉え方が明るくどこかしらユーモアのある書き方ゆえ、暗くならないのが読者を救っています。

作者の周りにいる名もない市井の人の人生を赤裸々にルポして描くことにより、皆が悲しみや劣等感、悩みや苦しみを持っている、という感情を共有化することになります。どんな人もそうですが、日常を生き抜くのに楽な生活をしている人は少ないでしょうし、実際、皆なんらかの苦しみを抱えながら、それでも生き抜こうとしています。

もがきながら歩くのに疲れた瞬間、本書を読むことで再び前に歩みを進める元気をもらえるような気がしました。この作品はそのような性質をもっています。心の悩みを抱えている人には或る種の精神安定剤のような役割も果たせそうですね。
みんな何考えながら生きていますか? ★★★★★
世界を形成しているのは、普通の人々である。偉人や超人だけが存在しているのでなく、大多数は普通の人である。普通の人々の考えていることや経験してきたことを知る機会は余り無い。普通の人は伝記を書かないし、ブログや飲み屋で聞く話はどこまで真実や本心かわからないからである。でも私は知りたい。みんな何を考えながら生きているのか。行き続けているのか。
本書は営業車の中、FMラジオの書評で知った。その日のうちに書店で購入。帰宅後むさぼるように読んだ。そこには普通の人々の凄まじい生き様が描かれていた。ここに描かれている普通の人々の人生こそ、生きる意味を僕たちに示してくれる。いろんなことがあるけど、それでも生きなければならない。いろんな人が僕の知らない苦悩を抱えながら生きている。そんなことを知ることができる本書。自分だけでない、と応援してくれる本書。現代人必読の書である。
その後「友が我よりえらく見える日は」「喜びは悲しみのあとに」と作者の書を買い揃えた。どれも期待を裏切らない出来であった。上記2冊のレビューは無し。このレビューと同じになるから。
どれでも良いから書店で手に取って欲しい。あなたをきっと助けてくれる。
競馬好きの方に是非 ★★★★★
某競馬雑誌に紹介されていたので、早速読みました。冒頭の『墓参り』競馬好きなら泣けます。
そして、自分にとって競馬とは何であるか…という事を改めて見つめ直したくなりました。
私は疲れた中年の範疇に入る人間ですが、自分の場所を見つける努力をあきらめない気持ちをこの短編からもらえるような気がしました。オススメです。
暖かく心にしみる ★★★★☆
『友がみな我よりえらく見える日は』『喜びは悲しみのあとに』に次ぐ上原隆のノンフィクション・ルポルタージュ。普通の人、というより普通から少しドロップアウトしている人達を対象に取材したもの。そこに描かれるのはこんな人達だ。

「アルコール依存症で兄を亡くした弟、二人で頑張っていたが社長に自殺された女性、戦争中、学校に行けず夜間中学で字を学び直す69歳の老人、家族を捨てホームレス生活をしながら夢を追い続ける42歳のお笑い芸人・・・・・」

カッコイイ話、ドラマティックな展開というのは特にあるわけでは無いが、紹介されるエピソードはなんとなく暖かく心にしみる。どちらかと言えば自分自身少し疲れた中年以上の世代むけかもしれない。