古典の現代解釈
★★★★☆
1ペ−ジをめくると 「加藤流」とある。この戦法を 採りうる人は 加藤一二三氏のみである。しかし 解釈する人が 森内氏なので 客観視出来る解釈で読めることに感謝する。閑話休題 加藤氏は頑固である。が 頑迷ではない。廃れつつあった作戦(棒銀戦法)を 羽生名人に採られ 負けたとき 決して過去の戦法で無いと 確認して また一歩研究を 始める そういう点で頑固である。
森内氏に話は戻す 先の上梓した本が《上》で 終わり(《下》を出せずに終わった 理由は分からない) その思いがあるのか 矢倉にとりつかれた棋士のエッセと思い 読んだ。読み易いが 指しやすいとはおもえない加藤流であり そこがまた加藤流である所以である。
どうも加藤氏のことで終わりそうである私も古典なのか
理論書
★★★★★
これぞ 浅川書房の本という感じです。
前回に続いて今度は、矢倉 加藤流(▲37銀型)についての非常に詳しい
解説書です。
加藤流といえばずっと以前からある定跡ですが少しずつ進化してきていますが
その進化過程も詳しく解説されています。
おおまかに加藤流に対して専守防衛の△53銀型、△73銀からの棒銀型、△75歩交換型と
3つの戦形についての詳説ですが、一般的にはこういわれているが私はそうは思わないと
森内流の意見が述べられ具体的に指し手を示している点は、必見です。
実戦で矢倉を指す人だけでなくなんとなく理工系の工学書を読む感じで納得するところが多くところどころ感心しながら読むことができます。
こういうふうにひとつの戦形をとことん解説して、わざと指し手に甘手を指させて、優勢にするといった狙い紹介の本と違い好感がもてます。これぞ 浅川の本です。