という人にも、きっと楽しめる本です。
最後の挿話として「アラブの占星術師の伝説」があるがこれがまた
よくできた伝承である。
イベリア半島は或る期間、モーロ人主体のイスラム軍に占領され、「アル・アンダルス」と呼ばれていた。アルハンブラも彼らが築いた宮殿である。が、度重なる北方からのキリスト教軍の侵攻(レコンキスタ)により、彼らはアル・アンダルスを失う。
「スペイン」の歴史の前に「アル・アンダルス」の歴史があった、ということは私にとって驚きであった。そして、そのアル・アンダルスの世界が、アーヴィングの筆によって蘇り、私達に、そのきらびやかでオリエンタルな世界を見せる。読後感爽やか!な作品である。