1993年にこの世を去っても未だに強烈な印象を残している
サン・ラー。太陽神ラーを意味するサン・ラーの創造する音の世界は
エキゾチックで妖しい威光を放ち続けている。
1940年代にシカゴでアーケストラを結成以降、
半世紀にわたって音楽(布教!?)活動を続ける。
1950年代のスイングとバップの音を基本としながらも、
独創的で常識の通用しない極めて実験的な音作り
フリージャズ・アヴァンギャルドの一角をなした。
土星から来たというサン・ラーの音の方法論は、
シンセサイザーのチョークした不気味な音、
アフリカンリズムや室内楽的アプローチを取り入れた
極めて前衛的なものであったが、彼の周辺を固める
メンバーの個性もその世界観の創造に大きな役割を果たした。
ジョン・ギルモア、マーシャル・アレン、パット・パトリック
といった看板奏者の奏でるフリーキーなソロ・プレイ。
ジューン・タイソンの異次元的で不気味な歌声。
時に、演奏の合間に演説(説教!?)が始まるという異質な空間。
全てがエキセントリックだった彼等のパフォーマンスの
一片の記録として上げられるのが本作品である。
エキセントリックさでは「Space is the place」の方が
上だと思うが、この作品はその完成度からもサン・ラーの
構築した一つの世界観を一貫した形で感じることが出来る。
サン・ラー入門の作品としておすすめの一枚である。
Sun Ra : keyboards
Michael Ray : trumpet Eddie Gale : trumpet
James Jackson : Bassoon ,flute ,oboe
John Gilmore : t-sax Marshall Allen : at-sax ,oboe ,flute
Ego Omoe : bass clarinet ,flute
Danny Thompson : baritone sax,flute Julian Pressley : baritone sax
Dale Wolliams :guitar Disco Kid : guitar
Richard Williams : bass
Luqman All : percussion Michael Anderson : percussion
Artaukatune : conga drums ,tympani
Sun Ra ,June Tyson ,James Jackson ,Eddie Tahmahs : ethnic voice