※原著は1973年刊。戦後編については著者没後順次公開中。
そしてそういうことを実感できるのは山田風太郎の洞察力です。何度ビックリしたか分かりません。戦争の真っ只中にあって、しかも20歳という年齢で、現在から見たかのような情勢判断にはビックリします。(情報統制があったのでそこは当然割り引きますが) 戦前特有の愛国心以外は共感もしくはおそれいること必至です。
当時の社会からは浮いた存在であった山田風太郎が客観的に社会を眺め、それを日記に記しているので、それを読む我々に当時の世相を教えてくれるのだと思います。戦争中の日本人を知りたい人におすすめの一冊です。