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フランソワ・トリュフォー映画読本

価格: ¥2,625
カテゴリ: 単行本
ブランド: 平凡社
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   フランソワ・トリュフォーと言えば、日本でも著名なフランスの映画監督である。大概のビデオ店にはトリュフォー作品が数多く並べられているし、また2003年秋には20作品ものDVD化が予定されているなど、死後長い時間が流れているにもかかわらずその人気は一向に衰える兆しを見せない。恐らく、その繊細で情感豊かな作品は年月の風雪にも瑞々しさを失わず、また絶えず新しいファンを獲得しつづけているのであろう。

   本書は、そんな新旧のトリュフォー・ファンにぜひおすすめしたい敷居の低い1冊だ。著者は生前のトリュフォーと長年にわたる親交があり、また『トリュフォー、ある映画的人生』 『友よ映画よ』などで定評のある映画批評家である。言うなれば最適任者によって書かれた本書は、処女作『ある訪問』から遺作『日曜日が待ち遠しい』までの短編3本を含む全25作品を余すところなくカバーし、懇切な作品解説やスタッフ・キャストのインタビュー、さらには豊富な作品図版などを交えて、トリュフォーの全体像を見事に浮かび上がらせている。あのスティーヴン・スピルバーグが自作『未知との遭遇』にトリュフォーをキャストとして起用したくだりの描写などがとりわけ興味深い。一瞬、650ページを越えるボリュームには気圧されるものの、その語り口は総じて平明であり、またシネフィル的著作によく見られる排他性とも無縁であることから、トリュフォーに関心のある読者であれば一気に通読することも決して苦になるまい。

   ちなみに本書の冒頭には、「感化院上がりの不良少年から『ヌーヴェル・ヴァーグ』の中心的存在へと登りつめながら、しかし生涯シネフィル的な少年らしさを失うことのなかった」とトリュフォーの生涯をごく手短に振り返った一文が掲載されている。死後まもない時期に書かれた追悼と思しきこの文章は、著者のトリュフォーに対する強い思い入れの原点をも示しているのではないだろうか。(暮沢剛巳)

トリュフォー映画を語るなら ★★★★☆
本の内容はすでに紹介されているので割愛するとして、出演者らによって語られる数々のエピソードよりも私が感動したのは本書の最後のほうに載せられているトリュフォーの写真です。著者が83年にトリュフォーより送られた最後の写真だそうですが、この一年後に他界してしまったことを思うと目頭が熱くなります。トリュフォーの人柄が感じられる、温かく人懐っこい笑顔でとても良い写真です。同じく山田宏一氏の「トリュフォー、ある映画的人生」と内容が重複する部分がいくつかありましたので星4をつけましたが、熱心なファンであれば本書を傍らに置いて作品を鑑賞する、これほど贅沢な時はないでしょう。トリュフォーの作品について余すことなく丁寧に語られた良心的な本です。ただ、トリュフォーの人物像にはあまり触れられていませんので、前述の「トリュフォー、ある映画的人生」とあわせて読まれるとさらに深みが増すと思います。
フランソワ・トリュフォー監督作品を見るときには是非お手元に! ★★★★★
52歳で亡くなった、女性と子供を愛したフランスの名監督フランソワ・トリュフォーの全25作品を、本人へのインタビューも交えて解説した名著です。かなり分厚い本ですが、トリュフォーの作品を見た後に、その作品の部分を読むだけでも良いと思います。値段の付け方も良心的な本です。
トリュフォーとトリュフォー映画を楽しむ ★★★★★
 トリュフォーが亡くなってまもなく20年。作品数こそはもう増えることはありませんが、彼が残していってくれた映画は歳月を経てますます評価されつつあるような気がします。その彼と親しかった山田宏一さんによるこの分厚い一冊には、トリュフォー作品における数々のエピソードに加えて、トリュフォー自身の言葉がたくさん収められています。「大人は判ってくれない」で、フランス映画界に革命を起こしたトリュフォーの考え方は、学校もろくに出ていない少年時代を過ごした者とは思えぬものです。映像にしても音楽にしても、彼の考え方はかなり徹底したものと思われます。
 ぜひ一本でも多く作品を見てから、この本を手にとってみてはいかがでしょうか。
愛にあふれた一冊 ★★★★★
批評家を経て『大人は判ってくれない』で長篇デビューを飾った「ヌーヴェル・ヴァーグの旗手」、フランソワ・トリュフォー。彼と長年の友人である著者が、豊富な写真資料やインタビュー、関係者の言なども織り交ぜてトリュフォーの全25作品をたっぷりと紹介しています。著者の「トリュフォー、ある映画的人生―後記に代えて」では、「研究書というよりは、トリュフォー作品をとおして映画のたのしみを追求しながら読む本、その意味での映画読本」であると述べています。これ以上付け足すこともありませんが、トリュフォーの映画に対する愛にあふれた一冊です。