知恵を磨く方法―――時代をリードし続けた研究者の思考の技術
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知識が肥大化し、
知恵が痩せた日本人へ
『流通革命(1962年)』『現代製品論(1973年)』『比較旅行学(1984年)』『研究者という職業(2004年』・・・領域の壁を軽々と跳び越え、ベストセラー・名著を送り出してきた
90歳博学の東大名誉教授がついに明かす
「自分で考える力」の鍛え方
知恵の働きや役割は、科学や技術の領域においては勿論 のこと、日常的生活行動の場のなかでも決して小さいものではない。人のさまざまな知恵の搾り方、知恵の活用の仕方……知恵についてこれほどまでに深掘りした書はなかった。文系と理系を境界を越えて活躍する90歳博学の東大名誉教授がいま問う「日本人に必要な知」。
著者は大正生まれで、東京大学と静岡県立大学の名誉教授。数学、統計学、経済学、経営学(流通、マーケティング)と、文理をまたぐ領域を専門分野を持ち、文化論や比較旅行論といった研究対象もある万能の研究者。大学教授として一線を退いた後も、知的探求を続け、2004年に著した『研究者という職業』(東京図書)は、研究者を志望する人の間で、名著として読み継がれる本となっている。
本書のメッセージは、「人間の知力には、人間の外側から来る知(情報や知識)と内面から湧き出る知(知恵)がある。現代の日本人は、内面の知力が極めて脆弱で、これを高める努力が必要」というシンプルなもの。ひと口に「知恵」と言われても、厳密な定義はなく、普通はぼんやりしてしてしまう。が、著者は「困難な場面でなんとか工夫する力」「偶然(セレンディピティ)を活用する力」「その場で発揮できるユーモア」「勘をきちんと働かせるため力」など、具体的に例をあげて、それぞれをいかに伸ばしていくかをユーモアも交えて、説明する。