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アイデンティティー(紙ジャケット仕様)

価格: ¥2,310
カテゴリ: CD
ブランド: BMG JAPAN
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アイアート・モレイラ、実質ジスモンチとのコラボ ★★★★☆
 本作が録音されたのは1975年。あの「ネイティブ・ダンサー」の翌年である。
 お返しということなのか、ウエイン・ショーターがゲスト参加している。
 また、プロデュースはハービー・ハンコック。
 しかし、サウンドを聴いた限りでは、キー・マンはエグベルト・ジスモンチだと思えた。
7曲中、4曲で作者としてクレジットされているし、ギター、アコピ/エレピ、シンセからウッド・フルートまで、多彩な楽器を演奏している。
 それから、サウンド面では、デヴィッド・アマロのギターが痛烈だった。ハウル・ジ・ソウザのトロンボーンも良い。
 アイアート・モレイラは、これまで歴史的なバンドの創立メンバーに連なったり、数多くの歴史的名盤でパーカッションを叩いているが、肝心の自身のリーダー・アルバムというと、何故か大傑作はモノにできないでいる。
 その理由は、過度のブラジル/サンバ臭さーーそれを、ジャズ・フージョン文脈にいかに融合させるか――と、ボーカルへのこだわりではないのだろうか?
 本作でも、エグベルト・ジスモンチのECMフレーバー(?)が強い曲ほど、魅力的に聴こえた。
それから、エルメート・パスコアール作曲の6曲目が特に素晴しい。
 今回の再発では、2008年マスタリング音源を使用しているが、ジャケットの紙は情けないほど薄い。
ブラジリアン・フュージョンの金字塔 ★★★★★
 言うまでもなく、アイアートはブラジルで最も才能あるパーカッション奏者の一人だ。本作ではアイアートの才能を高く評価したギスモンチらブラジル勢と、ハンコック、ショーターというアメリカ組が参加したとてつもないアルバムだ。この時代の混沌とした雰囲気を多分に持ったサウンドメイキングだが、なんと言ってもジャズ・ファンとしては、ハンコックとショーターの突き抜けた存在感がたまらない。ショーターのネイティブ・ダンサーや、ナシメントの同時期のアルバムがお好きな方なら絶対ハマります。特にこの時代のハンコックはソロ、プロデュース・ワークもズバ抜けているので、Wake Up Songだけでも買いです。流麗なハンコックのアープ・ソロからテンポ・チェンジしてからのショーターの雄大なアドリヴ。最高っすよ。
煌くようなリズムに ★★★★☆
M.デイヴィス・グループの活躍でもなく、ソロ作品でもなく、私がA.モレイラ(perc、vo)の名前と演奏を耳にしたのは、所謂、クロスオーバーが台頭し始めた頃の様々なアーティストの作品における"サポート・ミュージシャン"としてのそれでした。
A.モレイラもそうですが、R.マクドナルドやP.ダ.コスタといった人達の名を知るに連れ、パーカッションというパーツがグループに、そして音楽にとって如何に複雑な要素を加味するかを教えられたように思います。
本作はそのA.モレイラの'75年リリース作品であり、代表作でもあるかと思います。プロデュースにH.ハンコックの名前が見えますが、作品全体の感触自体は全く以ってA.モレイラその人から感じられる極めて高質なブラジリアン・リズムのショウケース然としています(素晴らしいです)。
また、コンポーズ+プレーイングにクレジットされているE.ジスモンティはその方面でのキーパーソンの一人とか。細君であるF.プリン(vo)を伴い、初期のリターン・トゥ・フォーエヴァーを少し感じさせるような箇所([6])もあり、私の好きな作品の1つになっています。
何だよ指紋押さなきゃいけねえの? ★★★★☆
と外国人の指紋捺印制度を皮肉ったジャケが強烈だが、中身の方はもっと強烈。
何たって、ブラジルの大天才エギベルト・ジスモンチが全面協力しているからだ。
なぜ突然この共演になったのかは定かではないが、ジスモンチが他人のアルバムにここまでするのははっきり言ってほとんどないので、大変貴重だ。
「ここまでする」というのは誇張ではない。

彼は全曲の作編曲、ギターにキーボードに笛に、と八面六臂の大活躍。
負けじとアイルト&フローラ・プリン夫妻も叩きまくり歌いまくり!
当時のアイルトゆかりのデイヴィッド・アマロやアルフォンソ・ジョンソンなどのトンガリメンバーも天才の参加に大ハッスルしており、これで凄いのが出来なきゃおかしい。

結果、ブラジルフュージョン史に残る超絶変態アルバムが完成した。