入門書の次はこれか
★★★★★
社会学的宗教起源論である。宗教がいかに生まれ、社会の中でどのように変容していったのか分析する。バタイユの著書の中ではわかりやすいほうであり、お勧めに値すると思う。まあ、要は言っていること自体はいつもと同じで禁止やら侵犯やら、至高性やらの話である。ただし、「至高性」についての説明は訳者後書き以外の部分ではほとんどなされていないので、そういったことを期待すると裏切られるだろう。
バタイユで社会学?と思われるかもしれないが、今回の参考文献一覧の名前をざっと見ても、モースの他にウェーバー、デュルケーム、デュメジル、フレーザー、ブランショ、ロバートソン・スミス、そしてエリアーデと、宗教学者の名前か、社会学者の名前しか出てこない。やはり、バタイユの射程は広い。