経済学の巨匠たちがイタコの口を借りて語りかけてくる・・・・
★★★☆☆
・・・という設定の経済学史の読み物。前著『「はだかの王様」の経済学』で、一般大衆向け路線に「開眼」した著者による一見軽い乗りの入門書ではあるが、読み進めるにつれてそれだけではないことがわかってくる。
取り上げられる経済学者によって、その密度はバラツキがあり、逆に言うとキッチリと描かれたところは決して易しくはない。
経済学史の導入としては一定の役割を果たすかもしれないが、結局はもう一冊スタンダードな入門書を必要とするだろう。
経済学がイデオロギーの闘争であり、価値観の無限淘汰のような様相がはっきりとした今日、本書が出てくる意図はよくわかる。