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入門 経済学の歴史 (ちくま新書)

価格: ¥798
カテゴリ: 新書
ブランド: 筑摩書房
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コンパクトな入門書 ★★★★★
 とてもわかりやすく書かれた経済学史の入門書である。
 フランソワ・ケネーの「経済表」に始まり、青木昌彦の「比較制度分析」に至るまで、主だった経済学の発達の歴史が、簡潔に整理され、コンパクトにまとめられている。マルクスもちゃんと入っているし、経済学の主流にはとうとうなれなかったヴェブロンに始まる「制度学派」も載っている。

 難しい理論はすっきりと、簡単なことも手を抜かずに書かれているので、とても好感が持てる。何しろ、文章がわかりやすい。敢えて難を言えば、著者の癖なのだろうか、語句の説明が文章の間にに括弧書きで書かれているので、若干、文章のつながり具合に難があるのだ。

 2009年に出た同じ著者による「市場主義のたそがれ」と同じく中村隆之センセが「補説」を書いているが、これまたわかりやすい。

 
内容がちょっと難しい ★★★☆☆
本書は経済学の歴史についてその発展期寄与した重要人物の理論などを中心に経済学の歴史がわかるように
記載されています。
重要なポイントがコンパクトにまとめらていると思いますが、全体のレベルとして入門としてはちょっと難しい
印象を受けました。参考文献などもしっかり記載されているので非常に良い本だとは思いますが
気軽に経済学の歴史を把握できることを期待していため、ちょっと初心者には難しい点があるため星3つとしました。
経済学史の正確な知識を得るためのコンパクトな概説書! ★★★★★
  重要トピック別に整理された全5章の本書を通じて、現代経済学の全体像を俯瞰することができる。「経済循環の発見」、「価値と分配の理論」、「ケインズ革命」、「多様なケインジアン」、そして「制度主義の展開」。「学派」や「人物」を中心に編纂されるテキストは多いが、こうした展開構成は、故・森嶋通夫氏の有名な『思想としての近代経済学』で採用された、「ストックとしての経済学史」に近いといえるかもしれない。

  前半2つでは、ケネー「経済表」からマルクス「再生産表式」、シュンペーターの発展理論、古典派のリカード理論と限界革命、そしてスラッファによる「古典派体系の復活」の内容が解説される。「市場」に対するアプローチとして、循環(過程)・再生産・均衡という少なくとも3つの概念化があることを示唆しているのだろうか。近年の世界経済危機で再注目されている「ケインズ」についての2つの章は、ケインズ「有効需要の原理」から、ケインズ理論の発展のしかたをめぐる論議(長期化や動態化など)に及び、通俗的なケインズ像の払拭に尽力している。不確実性や歴史的時間、「生産の貨幣理論」をケインズの理論の骨格とみなす「ポストケインズ」派と、マクロ経済学のミクロ的基礎というルーカスの方法論を引き継ぐ「ニューケインズ」派との質的相違の紹介も興味深く、ケインズの経済学のゆくえを展望するうえでも欠かせない。制度主義も、「異端派」ヴェブレンから新制度派、青木昌彦による比較制度分析までを射程にいれている。その系譜も一様でないことがわかる。

  著者が冒頭で述べているように、「理論・モデル」が飛躍的に新しくなっているようにみえても、実はそれを支える「思想」は古くからあることが多い。何が古くて何が新しいのかを見極めるためにも、「経済学の歴史」に深く関心をもつことは特に重要だ。それをコンパクトかつ読者の興味を引くよう体系的に紹介することは決して容易ではない。<多様性>への寛容を唱えてきた根井氏の姿勢も鮮明だろう。巻末の中村氏による有益な「補説」とあわせて、今はその使命をひとまず果たされた著者の労をねぎらいたい。
経済学の面白さが伝わる本です ★★★★★
全部で5つの章で構成されています。骨子は次のようです。現代経済学のフロ
ンティアに導かれます。高校生諸君に読んでもらいたいです。

1.「経済循環の発見」では何故に、経済学の父はケネーなのか、からはじまり、
スミスとマルクスのケネーとのかかわり、「単純再生産」の考えに触発されて
シュンペーターの「新結合」イノベーションのアイデアがでてきたことがが興
味深く述べられます。

2「価値と分配の理論」ではワルラスの一般均衡理論が現代の主流派の基礎理論
とされている根拠と、他方、利子や賃金の決定=つまり分配論については、スラ
ッファなどの「異端」派がでたことが、理論的に説明されています。

3.「ケインズ革命」、4「多様なケインジアン」も現代の問題にからめて明快に
書かれています。乗数理論や財政政策についてのケインズ自身の考えと、のちの
祖述者たちの<解釈の違い>にもふれられています。

5.「制度主義の展開」では、コースの取引費用論がかたられ、市場と企業を現
代経済の2大制度とみなされたわけが語られます。これを見ると、社会主義の失
敗は、市場に代わる企業組織の垂直統合の取引費用が膨大で不効率だったからだ
とわかりますね。

プロローグに簡単な通史と、さいごに中村隆之氏による「補説」がついています。
中村「補説」のアルフレッド・マーシャルの記述は、現代の日本経済の困難とそこ
からの脱出を考えるためにもヒントになる、すばらしい解説だと思いました。

高校生諸君、そして学部の諸君、ぜひ精読を。