家族内の紅一点が狙われる
★★★★★
【竹内和美】
ヒロイン。27歳。家族の男達全員から迫られるお嫁さん。最初は拒むが次第に豹変して自ら妖艶におねだりしてしまう本性の持ち主。清楚でお淑やかな容姿とのギャップで男達を虜にしてしまう小悪魔的側面がある。そして結末では本当に小悪魔だったことが判る。
【竹内達夫】
和美の義父。53歳。威厳のある父親風情だが、和美と三男との情交を覗き見て和美を詰問、脅迫まがいに迫り合体(この時の理屈が身勝手で笑える)、その後も肉体関係を続ける。それ以前に長男と和美の交わりを覗いたり、三男から和美を横取りしたり、緊縛したりと結構やりたい放題。父という立場からすると何だかとってもダメな人に見えてくる。
【竹内伸也】
28歳の長男。和美の夫。出張で不在がちの夫という王道的設定。和美との夜の営みを達夫が覗き見たことから物語が始まる。
【竹内健二】
25歳の次男。アルバイトやバンド活動に精を出すフリーな人。普段は家に寄りつかないのに終盤にやって来て和美に荒っぽく襲い掛かる。
【竹内智己】
19歳の三男。予備校生。和美に最初に襲い掛かる人物。凌辱気味に迫るが、智己の境遇への同情と夫不在の淋しさから逆に包み込まれて筆下ろししてもらう。その後も関係が続いたが達夫に横取りされる。
狙われるヒロイン・覗き・凌辱・誘惑・緊縛といった相反する要素を満たす設定が本作の良さを決定づけている。智己には年上の優位を見せつけて艶めかしく、達夫とは老練な手管に翻弄されて健気にと、相手によって変わるのも実にいやらしくて良い。達夫視点での寝取られ描写もあるが、「お父さん、自分を棚に上げて何憤ってるの」という感じなので(寝取られスキーな方々には物足りないかもしれないが)地雷な諸兄には丁度良いくらいだと思う。欲を言えば和美の本性が判ってから男達全員で和美を責め立てる逆ハーレムな4P(伸也も加えて5P?)があっても良かったかも。あまり多くない頁数にきっちり纏めた良作である。