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20世紀音楽 クラシックの運命 (光文社新書)

価格: ¥1,050
カテゴリ: 新書
ブランド: 光文社
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過去の遺物の集大成 ★★★☆☆
20 世紀音楽は作曲や演奏という行為の否定にまでつながったが,おおくの 「作品」 は一般人には縁のないものだった. この本はそういう音楽を作曲家の 「作品」 として,つまり 19 世紀的な見方で紹介している. ヴァーグナーにはじまり,ドゥビュッシー,シェーンベルクなどを経て,20 世紀末までのさまざまな作曲家と作品が 400 ページ以上にわたって,とりあげられる.

こういう古典的な論じ方になった理由のひとつは,作曲や演奏の否定が成功しなかったことにあるのかもしれない. この本をみて,CD やネットからそれらの作品をひろいあげてきくのも,わるくないだろう. しかし,岡田暁生の 「西洋音楽史」 に書かれているように作曲家の時代がとうにおわってしまっている現代においては,いわゆる 「現代音楽」 以前の部分をのぞけば,この本は一般人には無縁の過去の遺物をならべているだけだとおもえる.
えっ… ★☆☆☆☆
本もつまらなければ授業もつまらない。教科書という名を使った自著の押し売りも甚だしい。
ちょっとどうかと ★★☆☆☆
やたらヒンデミットのオペラが好きなのか、筆者は20世紀オペラの解説書を書き
始めていた。ところが、岡田氏の西洋音楽史の新書が売れていることを知り、
出版社と相談して20世紀音楽史の本へと路線を変更。誰でも知っているマーラー、
さらに、興味を持ち始めたシュニトケやグバイドゥリーナなどの一般的情報で前後
を書き足してできあがったごった煮状態の本と想像する(音楽史上ヒンデミットの
オペラをやたら詳しく書く意味は薄い)。

音楽史的な流れを説明するのに苦労したようで、特に戦後の60年代〜70年代の前衛
の停滞と戦前派、折衷派の共存、80年代以降のポストモダンとIRCAM、東欧系前衛
の活躍、90年以降のスペクトル楽派の興隆といった流れや、戦前で言えば新ウィー
ン楽派と新古典主義の色分け、20世紀において重要な地位を占めるアメリカ楽壇の
ほぼ無視や、パリのミュージック・コンクレートの祖ピエール・アンリの完全無視、
ブライアン・イーノ、デヴィット・ボウイといったロックからの影響の無視など、
20世紀の芸術史を語る上で物足りない。

また個別の曲の解説は総じておおざっぱすぎて、多用される「わかる」とか「わか
らない」という単純な尺度は芸術の専門家らしからぬ感がある。シュトックハウ
ゼン、ブーレーズ、ノーノ、クセナキスといった「わかりにくい」作曲家の作品解
説はグリフィス著の「現代音楽小史」と比べて、この程度?といった感じ。もち
ろん日本の作曲家もまったくないあたり、筆者が毛嫌いしているだけでは??

より本格的な20世紀音楽史を総括した解説書がいずれ、誰かの手(長木、片山ら?)
により登場することを期待したい。
なんじゃこりゃ!? ★☆☆☆☆
この著者の『20世紀絵画』が、クセのある文体ながら刺激的で面白かったので期待したが、こっちははずれ。読むに値するのは最初の50ページ、せいぜい100ページまでで、あとは作曲家の名前と作品名の羅列に、独断的で傲慢な批評が延々と続く。作品と時代や社会との相互作用を読み解くと言っておきながら、そのような視点が完遂されている部分はごくわずかで、あとは印象批評の垂れ流しだ。著者の知識はかなりバラツキがあるようで、オペラにはやたら詳しい。また、ドイツ語圏の作品にも、専門に近いだけあって蘊蓄と含蓄がある。反面、ドイツ語圏以外の地域については、さほど理解が深くないようだ。アメリカ大陸や北欧、イギリスの取扱いは、あまりにもおざなりに過ぎる。フランスについても、ミヨーが交響曲を書いていたのだと、さも意外そうに書き連ねているが、そんなの常識ではないのか? ミヨーの室内交響曲(全6曲)には何も触れていないし。対象をドイツ語圏だけにしぼるべきだったのではないか。
もう少し普通の言葉を使ってほしい ★★★★☆
 「ゆえなしとはしない」など別にこんな言い方をしなくてもいいと思うような部分もあります。法律学者の文章を読んでいるみたいです。この著者の『20世紀絵画』でもそうですが、こういう言葉遣いで損をしている部分はあります。読みなれていない人はめんどくさくなってやめてしまうでしょう。
 とはいえ、現代音楽を専門に紹介した本はあまりないので、その方面にアプローチするための知識を身につける本としては使えるでしょう。
 難をいえば、オペラの筋書きだけやたらと詳しく、より知名度が高いと思われる作曲家についてあまり詳しい説明がないことです。プーランクやファリャといったれっきとした20世紀の作曲家について何も触れていないのはいかがなものか。ドゥビュッシーやヒンデミートという言い方もあまりしないです。
 現代音楽は豊かな世界であり、少しでも多くの人に知ってもらおうという熱意は買えます。今後、CD選びの際に参考にするつもりです。