組織復活の鍵はミドルマネージャの覚醒にあり!
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常に日本のミドルマネジメントを元気にしたいと行動している野田氏の本は、非常に先進的でありながら、いつも日本的な要素も取り入れてあり、感心する。
この本では、組織の雰囲気を示す組織感情という概念を紹介している。イキイキ・あたたか・ギスギス・冷え冷えの4つの基準で自分や回りを評価して総合的に組織の雰囲気を判断する方法だ。それぞれを適度に制御するのが大切で、どの項目も適正レベルがあるそうだ。
組織感情を適度に制御するのはミドルマネージャだ。しかし、ミドルマネージャがどうやってこのスキルを磨き、元気になれるだろう。その方法として、同じ階層のマネージャが集まっての相互コーチング法を紹介している。1週間に1度、1時間程度集まって、最近の出来事を手短に話し、内省し、傾聴し、互いに気楽にコーチングする。心の負担を取り除いたり、新たな発見があったりするそうだ。
人との繋がりを重視しようとして社員旅行を復活させても、ありきたりな研修会に
参加しても意味が無い場合は効果がありそうだ。
崩壊寸前の組織を抱えたマネージャーは必ず読むこと!
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中堅崩壊―ミドルマネジメント再生への提言の著者であり、ジェイフィール代表の野田氏が
組織を元気にするための処方箋を記した実務書。
同社のメンバーは不機嫌な職場‾なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書)も書いている。
「組織感情」というものに注目し、ご機嫌な職場・やる気のあふれる組織をどうやってつくるか、
具体的な方法を実務レベル(6人を限度に円卓を囲んで・・・というように)で解説してくれる。
米国のマネジメント理論をそのまま翻訳したような本も多いが、この本は、日本の職場の内実
(この本にも少しでてくるが、昇格を間近に控えた部下の評価に下駄を履かせるとか、予算の隠し
財産とか)を深く理解したうえで、書かれている点がさらにすばらしい。
ひとつ使える、と思った手順を紹介すると、問題のある組織に「介入」する方法について
1.事実の確認(部下のモチベーションが低くて困っているのですね)
2.意味の確認(相手も同じような気持ちだったとは思いませんか)
3.視点の展開(どうして同じ過ちを繰り返すのでしょうか)
4.行動の選択(もし同じ状況になったら、今度はどうしますか)
というように、相手に気づきを与える手順を推奨している。
他にも使える手法が満載されている。惜しむべきは、本のタイトルが
まずかったかな、ということだ。(このタイトルじゃ、売れないよ)