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小さな国の大きな奇跡-キューバ人が心豊かに暮らす理由

価格: ¥1,680
カテゴリ: ハードカバー
ブランド: WAVE出版
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知的好奇心をかき立てるルポ ★★★★★
 本書は2つの面で私の関心を惹いた。
 第1に、「唯一の成功した社会主義=キューバ」という側面。ソ連・東欧圏の崩壊と中国の資本主義経済化により、社会主義は20世紀の遺物と化したはずだった。ところがどっこい、キューバの社会主義はアメリカの経済制裁下においても健在なのだ。かつて、社会主義に官僚主義はつきもので、また物質的刺激のない悪平等は経済の停滞を招くとされた。なるほどキューバは貧しい国だが、しかし北朝鮮のように飢えることもなく、国民が等しく精神的豊かさを分かち合っているようだ。そして、フィデル・カストロは国民皆に心から愛されているようだ。これは陽気なキューバ人の国民性と、ゲバラ、カストロという優れた指導者の資質がもたらした「奇跡の革命」の結果なのだろうか?
 第2に、私が最近関心を持っている北欧福祉国家との共通点及び相違点だ。地理的、経済的、かつ国民性の相違点にもかかわらず、最高レベルの教育水準、無料の教育費や医療費、さらには、先進エネルギー政策まで、両者には驚くほど共通点がある。そしてなにより、「勉強が好き」という笑顔の子どもたち、「年を取るのが楽しみ」という楽天的な高齢者たち! 「奪い合えば誰もが足りなくなるけど、分け合えば誰もが満たされる。だからキューバ人は分け合うことを恐れない。」(本書)「ない人には分かち、ある人は分ける」北欧社会。もしかして、成熟した民主主義下の資本主義と、官僚主義のない自由な社会主義とは、それほど違いがないのかもしれない。
理想のキューバ ★☆☆☆☆
キューバについての可能性を解いた本です。
医療費無料を達成したキューバ。ですが医薬品はまったく足りていません。
四肢切断のような事故でも麻酔抜きの手術が強いられます。
風邪薬もまったく足りない状態で、昨年は中国から大量の医薬品を輸入しました
が、結果多くの子供が逆に、軽い風邪であったのに亡くなってしまったことは
ニュースなどで知られる通りです。
まあ事故と風邪に絶対にあわないのなら理想の革命国家なのでしょうけれども。
メディアリテラシー ★★★★★
縁あってキューバに関する本をたくさん書いておられる吉田太郎さんの
講演に参加することができた。
その場所でなぜか置かれていたのがこの本。
先にこちらを読んでしまったのだが、私自身はキューバの都市農園のしくみに
ひかれて講演に参加していたので、この本に書かれてある、
今のキューバという国の成り立ちがわかりやすく
書いてあるものがありがたかった。

教育費無料、医療費無料、そして他国へ多大な支援。
なによりも年をとるのが楽しみという老人たちの気持ちと
「勉強が楽しい」という子どもたち。

まさに小さな国の大きな奇跡。いろんな問題は含んでいるけど、
格差社会でワーキングプアたちの共産党員が増加していってる日本にも
見習うことはたくさんあるのではないか。
すぐに社会主義がいいというわけでもない。
講演をされた吉田太郎さんもおっしゃっていた。

「注目すべきはそのしくみなのです」

モラルが低下し、儲かれば何をやってもOK。法のすき間をぬったビジネスで
儲け、指摘されると「何も悪いことはしていません」という大人が多い日本。
チェ・ゲバラが目指した
「誰もが幸せに暮らせる社会」を実現しようと今も頑張ってる国がキューバなのではないか。

メディアでは報道されていない事実。アメリカ依存はそろそろやめて
独立していかねば、私たちに幸せはこないような気がした。

余談だが、キューバは徹底した性教育と医療啓発でHIV感染率が世界一低い。
そういうわけもあってか、黒人少年を買いにいく日本女性がいたそうな。
つくづくやりきれない気持ちになる。

もう少し視野を広げて世界を見なくてはいけない。
今できることをしていかねば、子どもたちに幸せな社会を残してやれない。
この本はそう教えてくれた。
まさかここまで行ったとは ★★★★★
Cuba については革命家に関する本が多いのに,そこに住んで下から見たルポがなかった.この本のカヴァーの可愛い子供の表情に惹かれて読んで驚いた.確かにここには社会主義社会が実現されているが,経済的困難が余りに圧倒的で,のんびりやるしかない.ところがこれが国民性にマッチして,人民は闇市労働にも精を出して適当にやる.そうこうしている間にマラリアとジフテリアを根絶し,更に安くて高度な医者養成システムを完成させて,アメリカ人でも教えますよ,と言う恐ろしい事態になった.こうなるとただでさえ恐ろしいラテンアメリカがまさに恐怖の的で,アメリカとしては打つ手がないだろう.全く痛快である.ただ,本の記述はリアルな部分とどうしようもなく未消化な部分が混在していて,必ずしも読みやすくない.特に政治経済の大局観が欠けているので,社会の枠組みが見え難いのが欠点である.しかし,市民達の圧倒的存在感の前には,小さい欠点かも知れない.推薦.
奪い合えば誰もが足りなくなり、分け合えば誰もが満たされる ★★★★☆
 キューバ革命・キューバ危機・ソ連崩壊のスペシャル=ピリオドなどの歴史から、フィデル・ゲバラへの庶民の親しみ、レベルの高さを誇る教育・医療無料制度、エコ燃料対策、食糧配給等人々の暮らしぶり、反キューバ派におもねらなければ成功しない亡命キューバ人事情、アフリカ・南米など貧しい国の患者への無料治療、医学生受け入れ教育、チェリノブイリ事故被爆児童の無料治療受け入れ、医療面での国際救助隊など貧しく、米の経済制裁で物が不足する中でも、世界唯一の平等を重んじる共産国家として成功してきた、キューバの広い分野のダイジェストが紹介されていて、キューバやゲバラに興味を持った人には、是非読んでほしい本である。

 マイケル=ムーアが『シッコ』で米の貧困な医療政策を批判したように、読者も難民受け入れを殆ど拒否しながらも、国際貢献の看板を掲げ、米軍の下請けとなった軍を世界に派遣し続ける日本のお粗末ぶりに赤面するのではないか。

 物が溢れる代わりに人間関係が疎遠になり、ひどい経済格差で生活が脅かされる米や日本こそ、キューバに学ぶべきだと多くの人に気づいてほしい。


 本書はあまりにもキューバの素晴らしい点ばかりを取り上げているので、依然として黒人差別意識は残されており、路上に黒人の宗教サンテリアのお供えとして山羊の生首などが置かれているのに対し顔をしかめるスペイン系がいること、(正確な資料はないが)黒人は事務でなく現場仕事につく率が多いように見えること、手っ取り早く外貨稼ぎをするために売春をする人の中でも白人娘の方が黒人娘より高額である事(単に需給の関係か?)、をあげておく。

 もう1点、マレコン通りにある米の利益代表部が電光掲示板でフィデルの誹謗中傷などを流し続ける事に対抗して、CIAのテロリスタ、ルイス=ポサダ=カリーレス(現在も米が匿い、キューバ・ベネズエラは、裁判のための身柄引き渡しを要求中)によって1976年爆破されたキューバ航空犠牲者と同数の旗を立て、掲示板を見えなくしているが、現在もCIAのテロリスタが国内に潜伏しているのを知りながらも、強権発動ではなく静かな抵抗を続ける部分についても是非書いてほしかった!