リンドウの花咲く庭に望郷の思いをよせる寅さん
★★★★☆
シリーズ8作目。妹さくら(倍賞千恵子)の義理の母の葬式に参列した寅さんは、残された夫の志村喬に、“旅先で見た、りんどうの花咲く田舎屋の家庭の夕食のあかり”といったもので、人生で何が大事なのかがわかるという話に感銘をうける。常に旅人の風来坊である寅さんであればこそ、この望郷の逸話には感じいったに違いなく、寅さんは柴又に戻る。そこで、マドンナの和服美人の池内淳子に会うのだが、女手一人で喫茶店を営業する池内が心を寄せ始めるのを感じたとき、旅人である寅さんがとった決断は、というストーリー。妻に先立たれた志村喬の哀愁のこめられた演技(寅さんを広く暖かく支える元大学教授役)も光る作品です。倍賞の美しい和服姿は1分ほど。