佐藤先生監修の『相対性理論を楽しむ本』と『量子論がみるみるわかる本』が面白く、ますます宇宙に興味を持ったので購入。


文系人間としての感想ですが、とにかく難しかったです。

扱う内容ももちろんですが、まず著者の富永さんの文章が堅い。

佐藤先生の前の2冊がとても丁寧で優しかったからそう感じるのかもしれませんけど、裏表紙に「入門者にも易しく」と書くならば、広い読者層を意識してもらいたかったです。

あと、用語の説明が不親切な箇所が多々あります。

説明が全くなかったり、序盤なのに

(260ページ参照)

とか書かれても、理解しにくい上に手順としても読みにくいので。

自分の場合は先に相対性理論と量子論を読んでいたので、ある程度の知識とイメージがあったからそこまで苦労しませんでしたが、もし最初に手をつけたのが本書であったら、間違いなく30ページくらいで読むのを終了していました。


そんな感じなので、本書が設定する入門者とは、「物理について一通りの知識があり、かつ宇宙論に興味のある人」になると思います。

理系の人であれば自力で読み通せるかもしれませんが、文系の人に関しては、

・他に宇宙論に関係する本を読んだことがある

または、

・友人に物理の得意な人がいる

という人にだけオススメします。


以上が不満点ですが、全体的には結構楽しめました。

相対性理論や量子論の復習にもなったし、その2冊には書いてなかったトピックもいくつかありましたし。

何よりも一冊に宇宙の歴史がまとまっているのでお手軽です。

本格的に宇宙論に手を出してみようと思っている方はぜひ読んでみてください。

宇宙に「果て」はあるのか、モノをどんどん細かく分割していったら、最後には「何」が残るのか…子どもの頃、そんなことを考えて夢中になっていた人は少なくないことと思います。
私の「子どもの頃」はずいぶん昔になりますが(笑)、その間にここまで多くのことがわかってきました。そのことを純粋に喜んでいます。

世界の第一線で活躍中の物理学者である佐藤勝彦氏監修のこのシリーズには、これまでもお世話になってきましたが、中でも本書は「現時点での最先端の物理理論」が網羅的に盛り込まれており、全体を俯瞰するのにとても役立ちます。

繰り返しますが、ここで書かれていることが「現時点での物理学の最先端」です。

宇宙の成り立ち、元素はそのようにできたか、相対性理論、太陽系、クォーク、ダークマター、ひも理論など、宇宙の謎と関連する物理的な知識についてコンパクトにまとめた一冊。

著者は一般向けに分かりやすい本を書いているサイエンスライター。監修者は高名な物理学者。謎に重点をおいているためか、物理関連の話が多いことが特徴。

難易度としては、雑誌Newton程度。基本的に活字中心の解説だが、図表も多く入れてある。全て白黒。文章はこなれていて、平易で、読みやすい。うまくまとめてある。文庫本なので、電車の中でも簡単に宇宙旅行が楽しめる。

物理寄りの解説が多いので、全く前提知識のない方には難しく感じるかもしれない。一方、本書で扱われている内容についてある程度の事前知識を持っている方にとっては、ざっと復習するのにちょうど良い。