何度でも読みたい名著
★★★★★
介抱人専門口入れ屋「鳩屋」の人気介抱人、お咲。仕事が丁寧で細かいことによく気がつき辛い現場も厭わない。お咲はご老人が好きなんだと思う。例え呆けていたとしても敬う気持ちを忘れない。だから愛される。人はゆっくり死に向かう。いきなり死ぬのではなく少しずつ準備をし人生を包み込んでいく、という件がとてもいい。人の最期は荘厳なのだ。決して穢されてはならない。介護に悩んでいる方あれば、是非一読を。老い、呆けは悪いことではない。できるだけ明るく楽しく往生へ導く。お咲の心が少しでも、今疲れている人々に届けばいいなと思う。