ブリグリはブリグリだった
★★★★★
2007年に念願の復活を遂げるも、出たアルバムがベストだったりまたTommy heavenly6を活動再開させたり、
その上レコード会社移籍という紆余曲折を経てようやくリリースされた新曲です。
だけど、相変わらずそんなブランク感のない瑞々しい楽曲に仕上がっていて、
自分のサウンドというのを持っているんだなと感じました。
久しぶりの生ストリングの抜けのよさがギターと絡んで冬とも夏ともなんともいえない独特の空気感が、
ああブリグリだという安心感を与えてくれます。
あと、奥田さんのサウンドがだんだんと自分の聴きたかった音になってきてるのも嬉しい。
heavenly6みたいなスリリングさはないけど、この聴いててなぜか安心するのがブリグリなんでしょうかね。
変わらないのに、新鮮。
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変わらないと、マンネリと言われる。特に、つくっている本人から見れば、いつも同じようなことをやっているような気がするし、このフレーズ、前も使ったよなとか、このコード進行、あの曲と同じなんだよねと感じながらつくる。
音楽は創造的なものだし、常に自分のスタイルさえ壊し、破壊から創造を生み出す作業が音楽をつくることだと思うのも自然。僕は音楽はつくらないけれど、文章を山ほど書くので、同じようなマンネリ感とはいつも戦っているので、その辺の感じはよくわかる、特に音楽の場合は、若い人がつくる流行歌だから、余計に「変わること、創造すること」への焦燥感があるのだろう。
そんな中、変わらないことをあえて選びつつ、変わらないスタイルの中で新鮮さを感じさせようというアーティストが日本の中にも少しずつ育ってきた気がする。以前はサザンオールスターズぐらいだったのが、Spitz、ミスチル、そして僕の大好きなGARNET CROWなど。そこに、The Brilliant Greenがまっすぐ直球で帰ってきてくれた。
変わらないテイスト、変わらない声、変わらない密度感。それなのに新鮮で、突き抜けるようにPOP。何より、ジャケット写真のトミーがかわいい、かわいすぎる。
Flowerができたとき「いい曲ができたから、聞いてもらいたい」といった彼らが、再び「いい曲」をつくって帰ってきてくれたことが何よりうれしい。時間がかかってもいいから、「いい曲」を積み重ねるバンドであってほしいと切に願う。(by paco@<おとなの社会科>)
求め得る全ての要素
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the brilliant green、きっとそのうち帰ってくるコトは知ってたから、あえて待ちこがれてなんていなかった。
でもやっぱり自分はこの日を待ってたんだな。という感慨。
はじめて拝聴した瞬間は、正座こそしてないケド、心の襟を正して聴き入ってた。
結論から言えば、「おかえり」じゃなくって「ずっと待ってたんだから」って感じ。
嬉しくって嬉しくって。
肝心の楽曲の方もそういうファンサイドの感情を、がっしり包みこんでもらえそうな
懐の奥行きを感じさせる非常にあたたかく強い楽曲に仕上がっていました。
もう、まさに最強の再船出。
最初の再始動時の「Forever to me」、再々始動時の「Stand by me」といったコレら名曲群にも通ずる最高のブリグリ印品質。
easyでdownerな、アプローチも大好きだケド
絶妙な緊張感に裏打ちされた「覚悟」だとか「はじまり」だとか、あとは「前向きさ」とかそう言うものが
じわりと涙腺を辿るこの手の王道ミディアムにも徹底的に抗えない訳ですよ、耳が。
美しいメロディー、瑞々しいTommyのボーカル、耳障りのよさにエッジをたて、マイルドにしすぎない歌詞
乾いたギターサウンド、そしてカッチョ良いアートワークと。
the brilliant greenに求め得る全ての要素を無駄なく搭載した、最強の一曲にあいあなった訳で。
相変わらず淡々とでいいから、ここからの船出が、いっそうナイスなモノであるコトを願いたくなる。
それでいて、これ以上のぞんじゃ失礼なぐらいな傑作でもある訳で、
ブリリアントに置ける真新しいクラシックといって差し支えない出来映え、いや〜待っててよかった☆
また驚くべきコトは、上述した要素すべてが一段階上ぐらいいってる感もファンには嬉しい所。
それでいて、切り口は全く持ってフレッシュだという。彼らが彼ららしさを上なぞりした訳なんかじゃ到底なく
あの頃通りのブリリアントらしいグルーヴが、今もなおこうして現在進行形で彼らの中から発信されてる音だという
事実それ自体に泣ける訳ですよい。
一方カップリングに配された2曲はというと、
「Enemy」から続くセルフカヴァーシリーズ、名作「そのスピードで」のイングリッシュヴァージョン。
サウンドはアコースティック感が強調され、英語詞も相まってよりキュートな表情が強調されたポップな仕上がり!
新曲「Spring Gate」は上述したeasyでdownerな引き出しが活かされた、快活すぎないアップナンバー。
初期をイメージさせる、ザラついたロックサウンドがきてます。
オリジナルアルバムがそろそろ聴きたい!だとか、ライヴもっとやって!だとか
望むコトは多くあるケド、ひとまず収められた傑作群をしばらく大事に聴いていこうと思えるシングルとなりましたっ!
とにかく、オカエリ☆☆☆
ちょっと感じが変わった?
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本屋で流れていたのを聞きました。「あっ、ブリグリだ新曲出したんだ」って一聴して分かるくらい特徴ありますよね。
今度もせつな系のバラードでいい曲です。
今までよりもずっとやわらかい歌い方なので、違う方向性を試しているのかと思いました。私はこの感じ、いいと思います。
ゆったりしたペースで活動中なので次のアルバムはまだなのかな。楽しみにしています。
国内発ブリテッシュロックの風雲児
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デビュー当時、センスはズバ抜けてるけど、こんなマニアックなバンドが日本で売れるわけないと思いました。
とにかくもの凄くイギリス臭く、ロックロックしているのです。
予想通りすぐにブレイクはしませんでしたが、日本語詩に変えたとたん大ヒット。
やはり日本人は歌詞と声しか聴いていないんだと悲しくなりました。
実際音を誉める人は全然いなくて、皆川瀬の歌声しか聴いていない。
演奏やソングライティングを誉めてる人は全くいませんでした。
それでも良心のあるリスナーは少なからずいると思い、私は応援し続けました。
彼らの方向性がブレないように。大衆に媚びた音楽にならないように。
曲自体はサビ重視に傾倒しつつありましたが、音の根源は何も変わらない。
ゴツゴツしたロックサウンド。私は安心しました。
バカ売れはしなくても、フロントマンと呼べる二人のセンスに間違いは無いことが嬉しかったのです。
そして新曲です。いつの間にかレーベルも移籍していました。
方向性はブレておらず、とても安心して聴けます。
このバンドを好きで良かった。
年中世界中のバンドの音を分析をしているけれど、どこで鳴らしても恥ずかしくない骨太なサウンド。
ソングライティングそのものはとてもシンプルだけれど、それを感じさせないアレンジは流石だと思いました。
コテコテのロックとしても、インディーポップとしても聴ける。
世界に通用する音だと思います。
耳の肥えたリスナーがどれだけこの作品を手に取るかはわかりませんが、
どうかバンドは希望を持ってリリースを重ねてくれればと願うばかりです。