私の速読人生は、ただ１点のみに集中しています。
「速読しても内容が理解できるようにしたい。そのためにはどうするか」です。
　そう思うようになったのは理由があります。昔、ある速読通信講座の受講生から、こんな感想をもらったのです。
「私は速読トレーニングを始めてから、無性に本をゆっくり読みたくなりました。なぜなら、確かに目は速く動くようになりましたが、内容がつかめないので、読んでもおもしろくないのです」
　その講座に対する強烈な皮肉でした。教材づくりにはノータッチだった私も、ハッとさせられたものです。
　内容がつかめないのでは、何のための速読かということになります。私はこのときから、本格的に速読を研究し始めたのです。
　私の目ざす速読は「100人が100人とも100パーセント速読即解できる絶対的な方法」です。
　現実には個人差が大きく、いい方法がなかなか編み出せませんでしたが、本書では２つの面で解決をはかることができました。
　１つは、個人差を乗り越え、どんな人でも必ず速読即解ができる「指さし法」の習得です。慣れるまでは少々まどろっこしいかもしれませんが、非常に有効であると自負しています。
　もう１つは、いろいろな種類の速読を「道具」と考え、どんな人でも用途やレベルに応じて活用できるようにしたことです。魚をおろすのにはカッターナイフでなく包丁を使うように、「こんなときには、この速読を使うといいよ」という使い分けを考えました。
　２つとも当たり前のことのようですが、各種の受験勉強の強力な武器になります。仕事に効率革命を起こすことも十分に可能です。また、本やウェブからの情報収集が格段にラクになります。
　本書は、これらの方法をわかりやすく詳述し、勉強、仕事、脳トレにリンクさせるやり方をあわせて説きました。次の人には特に大きな効果が期待できます。
・試験に絶対合格したい人
・仕事の効率をドカンと上げたい人
・勉強をラクに進めて成果を出したい人
・毎日多くの文書やデータを処理しなければならない人
・記憶力や集中力を高めたい人
　おいしいところだけを活用して下さい。みなさんの勉強や仕事を発展させてもらうことが、私の最大の願いであり、希望です。
　本書を通じて、みなさんにご縁がありましたことに感謝いたします。