勉強にはコツがあります。
　たとえば、本を目次から読みます。

　まず、目次の章タイトルを読みます。目次は本の内容が整理されたものですから、本の全体像がサッとつかめるのです。次に、目次の小項目を一つ一つ読みながら、「ここはこんなことを書いているんだろう」「この項目はこういう内容だろうな」と、その項目の内容を想像します。

　そのあと実際にページをめくって本文をサラリと眺めます。「やはりそうだったか」と当たっている項目は、「見切った」わけで、もう読む必要はありません。目次からは想像がつかなかった項目だけをチェックしておき、あとでゆっくり読めばいいわけです。

「目次は見るのではなく、読むものだ」「本文はただ読むのではなく、見てから読むものだ」ということがわかります。これが、本を速く読み、知識を効率よく吸収するコツの一つです。

　私の勉強のし方というのは、こんな調子なのです。何かを学べばそれは必ずものになるように、勉強法に「自動成功機能」をもたせているのです。

　世の中には頭のいい人、工夫のうまい人がたくさんいます。読者のみなさんも、きっと私より頭がよく、「もっといい方法で勉強している」という方もおられることでしょう。それはそれで興味がありますので、私にも教えてください。

　ですが、本書の中で、「これはいい方法だ」と思えるところが一つでもあれば、ぜひまねてみて下さい。あなたの実力はさらにパワーアップすること疑いありません。「学ぶ」は、「まねる」が「まねぶ」に転じたものなのです。

　みなさんは資格の勉強をしているのでしょうか。それとも語学、昇進、転職、自己啓発のための勉強でしょうか。人には言えぬ苦労があると思います。

　しかし今は、パソコンやウェブの発達、大学の社会人大学化、教育産業の多様化など、勉強できるチャンスと環境が整ってきています。勉強人口も急増しています。

　勉強しているかどうかより、「勉強法」で大きな差がつく時代になったのです。産業構造などの変化にともなって、能力のあるなしによる差別化は、今後ますます強くなるでしょう。学校で学んだことなど、あっという間に陳腐化してしまいます。

　効率のよい勉強法がいっそう求められているのです。

　本書が、みなさんのお役に立ち、スキルアップの一助になればと願ってやみません。