この本を手にしたあなたは、次の五つのいずれかだと思います。
①過去に速読教室に通ったことがある
②教室には通わなかったが、通信教育を受けたことがある
③教室も通信教育も経験がないが、速読の本を読んで練習をしたことがある
④速読の本を読んだことがあるが、練習はしていない。ただ読んだだけ
⑤教室も通信教育も経験がないし、本も読んでいないが、速読への興味や関心はある
さあ、いかがでしょう？
まず、⑤の人に申し上げます。興味、関心はあるけれど、実際に行動に移していないのは、速読に対する不信感のようなものが根底にあるのではないでしょうか。
でも、ご安心ください。私の提唱する「絶対速読術」は、手順を踏んでやれば、少なくとも今の一・五～二倍ぐらいの速さなら、誰でも実現できるメソッドです。
④の人に申し上げます。私は、本はゆっくり読むべきだと思っています。したがって、練習しなかったのは正解です。今までどおりのゆっくり読むスタイルをこれからも貫いてください。
しかし、読書スピードを上げる必要性を感じたら、どうぞ本書の練習を試してみてください。普段やらないことをするだけで、すでに脳のトレーニングになりますから、速読できるようになるうえに、自分の新しい能力を発見することになると思います。
①、②、③の人には、大変失礼なことを申し上げます。この本を手にしたのは、ほかの方法を実践してみて、あまりうまくいかなかったからではないでしょうか（間違っていたらお許しください）。
速読トレーニングを実践した人ほぼ全員が一度は経験する難問が「目は速く動くようになったけれど、内容の理解ができない。おぼえられない」ということです。
しかし、ご安心ください。速読教室で教える私は、二〇年間、この難問と正面からぶつかってきました。その結果、「速読即解」を実現するには、速読をマスターする方法（手順）が重要だということがわかりました。
その実践の第一弾として、一〇〇人が一〇〇人とも一〇〇パーセント速読できる方法「絶対速読術」を『脳力アップ！１秒間速読練習帳』（だいわ文庫）でご紹介しました。まずそちらから練習をするといいでしょう。きっと納得できる成果が得られると思います。
本書は第二弾として、速読しても内容理解ができると同時に、人にも話ができるくらい内容を記憶できる方法を紹介しています。記憶力アップに重点を置いた本です。
特長は、「受動的読書法」ではなく、「積極的読書法」である点です。
本を受け身的に読んで知識を得るのではなく、本を読む前から内容をつかんで読み始めるのです。これを本書では徹底的に練習します。そうすることで、「つかみ力」が強化され、記憶も今までよりずっとよくなります。