【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:安達正勝/著 出版社名:集英社 シリーズ名:集英社新書 0337 発行年月:2006年04月 関連キーワード:フランス ハンコツ ヘンジン レツデン シユウエイシヤ シンシヨ 337 ふらんす はんこつ へんじん れつでん しゆうえいしや しんしよ 337、 シユウエイシヤ シユウエイシヤ 3041 しゆうえいしや しゆうえいしや 3041、 シユウエイシヤ シユウエイシヤ 3041 しゆうえいしや しゆうえいしや 3041 自分独自の生き方に徹した四人の男たち。太陽王と対決したモンテスパン侯爵、愛国の人ネー元帥、犯罪者詩人ラスネール、死刑執行人六代目サンソン。正史にはめったに登場しない魅力的なフランスの奇人・変人四人を紹介。反骨の生き様! 第1章 モンテスパン侯爵(「公式寵姫」制度戦場に届いた噂 ほか)第2章 ネー元帥の悲劇(革命が栄光の道を開く新国王との出会い ほか)第3章 犯罪者詩人、ラスネール(パリ重罪裁判所
反骨とは・・・
★★★☆☆
そもそも反骨とはなんであろうか。辞書によれば『不当な権力や世俗的風習に反抗する気概』とある。しかもこの‘気概'、何かの反動であったり、やむを得ぬ事情に流された結果ではなく、個人の哲学の所産でなければならない。
そういった視点でこの物語を読んでみて、果たしてどの人物がこれらの条件を満たしているだろうか。
最初に出てくるモンテスパン公爵。寝取られ男の嫉妬と泥仕合。同じような話は最近の週刊誌や芸能ニュースに溢れていて珍しくもない。違うのは相手が太陽王だという点だけで、しかも怒りの矛先はむしろ完全に浮気した妻に向いている。妻が修道院送りになった後は平然と宮廷に出入りするところなどは『それでいいのか?』と思ってしまう。
ネー元帥はよくいる世渡り下手な武人の典型。致命的なのは行動が一貫性を欠き、『反骨』に必要な哲学が全く感じられない点。知性と反骨は表裏一体だ。
一番反骨に近いだろうラスネールも、実のところ貧困に負けて犯罪に走ったよくある人生の転落話だ。本物の反骨者ならば、貧困に打ち勝って這い上がってくる筈…と思うのは私だけだろうか?
で、6代目サンソン。処刑人が嫌で嫌でたまらず、放蕩の末にギロチンを質に入れ、処刑人をクビになる。ここに至っては反骨どころか、軟弱そのもの。4代目の苦悩を読み知っている我々からすると、実にふがいない子孫ではないか。
・・・・結局、この本に出てくる人物はみな『運命に打ち勝つ』という人生哲学を実践できなかった不幸で『普通の』人々だ。
フランス革命期の人間模様としては楽しめるが、反骨を期待すると失望する。きっと著者も気づいているはずだ。本物の『反骨』って、なかなかいないよね。
フランス反骨変人列伝
★★★★★
フランス文学者安達正勝氏の表舞台には出てこないフランスの変人たちのお話。死刑執行人サンソンを読んでいましたが、お勧めです。太陽王に妻を寝取られた侯爵の意地。死を愛した殺人者。次代の混乱に翻弄された栄光の軍人。死刑反対を訴えた死刑執行人。以上の4人の数奇な人生のお話を読んでください。
人間の強さと弱さ
★★★★☆
「死刑執行人サンソン」に続く、安達氏のフランス史評伝集。期待して購入し、そして期待は裏切られませんでした。
ここに登場する四人の登場人物、いずれも自分の性格、ポリシーを曲げる事が出来ないがゆえに、それぞれに数奇な運命をたどります。
ネー元帥のように、かつては軍人としての成功の原因であった直情径行ゆえに破滅を迎える人もいれば、六代目サンソンのように首切り役人としての家業を受け入れられない意気地なさゆえにその家業から解放され、死刑廃止運動に邁進することが出来た人もいる。反骨者たちの抱える強さと弱さ、それを安達氏は平易軽妙な筆致で描き出します。
手軽に読む事ができるので、ちょっとした読書を楽しみたい人に自信を持ってオススメします。