軽トラに楽しく粋に乗る: 最高なのに最低と言われる車を最高に愉しむ
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この軽トラの本は車が好きな人たちに四駆や乗用車との生き方を見直して見ませんかと言う「提案」です。おそらく多くの方は車を選ぶ時に最初から軽トラは候補にもならないと思います。だから、この本もタイトルだけで敬遠されるかも知れないと思いつつ書きました。しかし、こんなことを考えている方々もおられるのではないでしょうか。たとえば車についての考え方も色々とあるのだと好奇心のある方。長年に渡って車道楽を続けてきて、もう「卒業」しようかと悟りつつある方。他人とは違う価値観あるいは土俵で車を使っていると示したい方。他にも趣味があり車は必要だが安く済んで合理的な車を持ちたい方等々。
よくあるドレスアップ車の紹介とかユーザー紹介でお茶を濁した本ではありません。私の多くのオフロード四駆を試乗し所有もしてきた経験から軽トラの四駆版を中心としてその世界的なユニークさや実利性を理論的に述べさせていただきました。読んでいただけば軽トラが思っていた以上に素晴らしいんだと見直していただけると思います。
この本の内容は本編の他に以下の4編の復刻記事から構成されています。掲載されたのは発行部数の少ない専門誌で、しかも全てが絶版となっています。
四駆道楽誌キュリアスのVol.5(2012年)に掲載した軽トラ四駆についてのエッセイ。同じくVol.7に執筆した私のキャリイ4WDの復活・改善記の追補版。クロスカントリービークル誌(CCV)Vol.6(1992年)に執筆した当時の新型車農繁キャリイの試乗記。同じくCCV Vol.68(2006年)で執筆したミニキャブベースのオフローダーの試乗記。そして本書の編集中に古い軽トラ消防車を手に入れたので軽トラと災害についての意見なども書き足しました。5編で使っている写真は合計で85点ですが、組み合わせた写真も多いので総数は120点くらいです。文字数は43,950文字くらいです。
CCV(クロスカントリービークル)関連の電子書籍は主にメカニズムがユニークなオフロード四駆について解説した資料性のある本と車全般についてのエッセイに類する本です。いずれもベースとなっているのは1990年から2008年にかけて出版された四輪駆動専門季刊誌CCVです。四駆の愛好家と言っても様々ですが私が興味があるのは機能を重視している反面装飾性の少ない四駆です。よって、あまり車の構造やオフロード走行に関心が無い方には偏った内容で面白くないかも知れません。amazon.co.jpで「石川雄一」を検索し著者ページをご覧になってください。あるいはWikipediaにも「CCV」という項目がありますので検索してみてください。 CCVは1冊1800~2000円という価格でしたが自動車専門誌としては異例にも広告掲載料に依存しない姿勢でした。ですから内容は正確であり実際にオフロードで走らせての内容でしたので読者さんには支持されました。筆者はもともと物書きなどではなく機械好き・オフロード好きから間違って出版・執筆を始めてしまい、それを30年以上やって来ました。内容は正確だと自負していますが美文を書くのは極めて不得意です。また自分の考えを通すために商売としての出版は下手でしたのでアチコチに気を遣った内容にはなっていません。本来正しい事を伝えるべき出版が拝金主義やビジュアル優先で歪んでしまうのは根本的に間違いだと思っています。
電子化では本の体裁もいろいろと試しましたが電子書籍では読者さんが読むのに使う機材がスマートフォンからタブレットPCと様々なので凝ったレイアウトをやっても無駄だと判断して文章と画像を並べただけのプレーンなものにしました。表紙も店頭で目立たせる必要も無いのでこれでいいかと思います。文字や写真も拡大・縮小が可能なフォーマットにはしてあります。
CCVのバックナンバーは弊社で在庫して通信販売を行っています。しかしCCV15以前は絶版ですし残っている号も少なくなっています。 弊社の在庫に対してのお問い合わせの多くは特定の四駆にご興味があって、その記事を求められる方です。専門誌1冊丸々が欲しいのではなく1件の記事だけの需要です。しかし、その記事だけをコピーして郵送することは版元であった大日本絵画さんの著作権の侵害になります。そこで記事を電子化しながら再編集してご提供させていただこうと思いました。過去の記事がベースのものは文章を現時点に合うように最小限の書き換えも行っています。写真もオリジナルがフィルムであったものをデジタル化したものもありますがCCVの記事ではモノクロだったものがカラーになっているものもあります。ということで私たちのように狭小な分野の情報を頒布させていただくには電子化しか方法はありません。このことから価格は低めに設定しています。ご興味を持たれた方はどうぞお読みください。また紹介する四駆の中には古いもの、軍用などで一般的ではないものもあり日本ではあまり知られていないものもあります。そのような紙の出版では扱われる可能性の低い車両についての情報を廉価かつ継続的に提供するのはこの分野の車両の産業機械としての文化を将来に向けて継承させるために意義あることではないかと思っています。