日本各地の干潟について，特色や生物の写真が紹介されています。
当たり前のことですが，干潟はいろんな生き物が利用している場であることは伝わります。生き物に興味のある人なら，干潟に行ってそれらの生き物を見てみたいと思えるような本だと思います。
ただ生き物を紹介するだけでなく，自然との触れ合いを促し，かつ干潟をきれいに保とうというメッセージも込めつつ構成されている点は，良いのではないでしょうか。生き物好きの小〜高校生向けな感じです。
（ただ，先にレビューを書いた方の指摘のように誤同定の写真もあるなら，その点は気をつけた方が良いでしょう。）

もっと良い写真を集めれば良かったのに，というのが正直な感想だ．ピンボケの写真があまりにも多い．カメノテの写真など，「カメノテ」と書いていなければ何だか分からないくらいぼけている．
鳥の写真はそれなりに真っ当なものが多いので（全部ではない，やはりひどくぼけている写真もある），星１つおまけしたが，鳥しかちゃんとした写真が集まらないのであれば，「干潟の鳥図鑑」として鳥だけに限定すれば良いのではないか．鳥以外の生物については，掲載種数もやや少なく，上述のように写真が良くない上に，種名が間違っているもの（明らかな誤同定）も見られる．仮にも「図鑑」というのであれば，最終稿は専門家にチェックしてもらった方が良い．

またこの本は，干潟１ヶ所ずつについて生物の写真を載せる，という形式なのだが，そうすると全体として同じ生物の写真が何枚も掲載されることになり，無駄が多いような気がする．アシハラガニの写真だけで，全部で何枚載っているのだろう．鮮明な写真を1，2枚厳選して載せた方が良い本になるのではないか．