旧版発行(1967年)から27年で新版になり、その後10年経つ今も健在なのだから、まさに先輩から後輩へと伝えられてきたロングセラーである。
真空技術の専門書は、内容によって、素粒子物理学関係用、真空工学用、現場技術者用の3つの系統がある。この本はずばり、3番目の系統に属する。
1番目の本や学生向け教科書に多い、真空の物理つまり気体分子運動論などは、見事にカットされて、純粋に現場技術者向けに書かれている。ここがこの本の最大の特色であろう。
薄い本であるが、ポンプから計器などの真空装置に必要な部品の説明が、実に分かりやすく説明されている。
営業から生産管理など、技術部門以外の方が仕事の関係で急ぎ真空技術と部品・装置関係の知識を仕込む必要がでたときにもお薦めできる本である。