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サービス・ストラテジー

価格: ¥2,310
カテゴリ: 単行本
ブランド: ファーストプレス
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素晴らしい内容 ★★★★★
例えサービス産業でなかったとしても、あらゆるプロダクト(商品)には、サービス要素
が含まれています。
モノ商品であったとしても、なんらかの付加的なサービスが必ずあるはず。
モノだけでは差別化が難しくなってきている今日、サービスこそが競争力の源泉と言える
のではないでしょうか。

そんな重要かつ広範囲にわたる“サービス”について、その本質を見極めつつシンプルに
わかりやすく解説しています。
特筆すべきは、事業活動を「表舞台」「裏舞台」に分け、この極めてシンプルな概念を
もとにサービス・ミックス、サービス・トライアングルなど、いくつかのシンプルかつ
強力なツールを使ってサービスを網羅的・体系的に説明している点です。

確かに、本書に書いてあることを実行に移すには、各業界や会社の実態に合わせて
もう一段練り直す必要があると思います。
しかしながら、筆者自身も本書の中で以下のように言っているとおり、そもそもこの本は
多種多様な業種や企業で通用するように書かれたもの。

「特定の領域についての考察を深め、より洗練させたものにしたい、と願う読者を想定
 してはいない。むしろ、きわめて広大なサービスの世界をひととおり眺めてみたい
 (中略)、と望む人を対象としている」
「本書で書いたサービスの定義は、あらゆる分野のサービスを旅して回るのに、そして
 また、主な課題を適切な視点からとらえて対処するのに役立つものである」

こうしたことを前提に読めば、この本がサービスの本質をいかにシンプルに説明し
かつ、有用なものになっているか実感できると思う。

サービス・マーケティングの分野は比較的新しくできた分野であり、現在のマーケティング
の主流(いわゆる“モノ・マーケティング”)と比べると色々な意味で遅れているのが現状。
マーケティング発祥の地アメリカでさえもそうなのですから、日本ではなおさらです。
そんなサービス・マーケティングについて、自分の会社にあてはめるとどうなるのだろうと、
色々と考えさせられる本でした。
「ふーん、なるほどねぇ」の域を出ていない ★★★☆☆
この本に書かれている「サービス」とは、
いわゆる「サービス業」には限定されない、幅広い「サービス」を指している。
本書からの引用であるが、
「程度の差こそあれ、今日の私たちは皆サービスに携わっているはずだ」
と言う考えに基づいて書かれている。
その主張は全くもって正しいと私も考える。
私自身の仕事における「サービス」の向上に役立つことを期待して読み始めた。

本書の評価できるところは、本来の広い意味でのサービスを捉え直し、
それに対し「なるほど」と思えるようなモデル化をいくつか行っていることだ。
特に「製造業」と「サービス業」と言った「業種」による分類を否定し、
同じビジネスの中での「裏舞台」と「表舞台」による
「見え方・接し方」の分類を提示しているのは興味深い。
さらにこれらのモデル化や理論を元に、
さらに「なるほど」と思えるような分析も多数提示されている。

しかしである。
これらの理論は「ふーん、なるほどねぇ」とは思えても、
「おぉ、そう来たか!」と思わせるような突飛なものはなかった。
常識からの逸脱は少なく、
誰もがなんとなく感じていたことを、綺麗に整理してくれたと言ったところか。
加えて、理論や分析があまりにも一般的過ぎて、
「これならすぐに実行に移せる」と言った類の実践的な内容も少ない。

内容にいくぶん光るところはあったが、
全般にインパクトに欠け、期待には及ばない内容だった。
サービスを分析するための手法が参考になる ★★★☆☆
本書の原題は「Service is Front Stage(=表舞台)」である.

すべての事業活動は表舞台(サービス)と裏舞台(モノづくり)の両方から構成され,製造業やサービス業の違いはその比率の違いでしかないというのが本書の基本スタンス.これまでも,サービス業と製造業の区別は意味がないという指摘はしばしば行われてきたが,「表舞台」と「裏舞台」という比喩はわかりやすい.そして,昨今は裏舞台より表舞台の重要度が増してきていると主張している.

本書では表舞台を強く意識しながら事業全体を分析する手法として「サービストライアングル」と「サービス・インテンシティ・マトリックス」などの道具を提案している.「サービストライアングル」は,事業のマーケティング,プロフィットチェーン分析,力関係分析,クオリティギャップ分析を行う場合に,「企業」「サービス提供者」「顧客」の三角形で考えるとわかりやすいというもの.「サービス・インテンシティ・マトリックス」は,事業のポジションを2軸,すわなち製品/サービスの提供物の形態(特注品⇔標準品)と顧客とのやりとりの緊密度(個別対応プロセス⇔標準化したプロセス)で表現し,ポジショニング戦略を考えるための道具を提供している.これらの道具は既存手法と比べて特筆するほど新鮮であったり便利であったりという印象はないが,道具の1つとして持っておいても損はしないだろう.

最終章では,変革のプロセスに言及している.すなわち,立派なサービス戦略を策定しても,いざ実践となると多くの企業では好ましい結果を上げていない.本書では,「ダイエット」のアナロジーを用いて実践の難しさを説明している.評者もサービスイノベーションを実現する変革のプロセスこそ重要だと思っており,本書の主張にはまったく同感なのだが,本書の説明(「4つの問い」と「三つのフェーズ」)はやや概念的・抽象的であり,机上の議論のように感じた.

「サービスイノベーションを実現する変革プロセス」を深い現場観察に基づいて議論する書籍の登場を待ちたい.