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年金改革と積極的社会保障政策―再分配政策の政治経済学〈2〉

価格: ¥3,570
カテゴリ: 単行本
ブランド: 慶應義塾大学出版会
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年金破綻論を信じてしまっている人に ★★★★★
いつの間にやら改訂版になっていた本書。
日本の年金制度は2004年に大改正を行い、それを詳細に分析した当時からリーマンショック後の今に至るまでの年金論議をまとめ上げている。
この権丈善一の本が痛快なのは、他の論者の間違いを論破するだけでなく、自分の間違いすら公に論じている点だ。
権丈自身が当初「日本の年金は将来、スウェーデン方式を導入することができる」(←これは現在、民主党が同じ間違いをしている)
「国民年金の未納者が保険料をちゃんと納めている人たちに多大な迷惑をかける」といった勘違いをしていたと書かれてある。
そして「間違いに気付き考えを修正していったプロセスを示している」のだ。
ここまで正直に真摯に読者や学問と向き合っている本は極めて珍しい。学者というのは、かくあるべきではないか。

年金破綻論者の本には参考文献に一切、権丈らの本は出てこない。だから、間違いを平然と繰り返せるのだろう(笑)(笑)
一方で本書は破綻論者の文献も当然出てくる。

この本は宮崎哲弥絶賛、『社会保障の政策転換』は細野真宏絶賛、わたしは両方を絶賛!(笑)(笑)
他を圧倒する論理的な年金の教科書。


成立した改正法は厚労省「方向性と論点」とは異なる ★★★★★
本書第Ⅰ部「年金改革論」第1章「年金改革論議の政治経済学――厚生労働省『年金改革の骨格に関する方向性と論点』を読んで」は、厚生労働省が平成14年12月5日に公表した、いわゆる「方向性と論点」を考察したものである。

一方、平成16年第159通常国会で「国民年金法等の一部を改正する法律案」が成立(いわゆる平成16年年金改正法、(平成16年6月11日公布、法律番号104))したが、改正法は厚生労働省の「方向性と論点」どおりではなかった。例えば、
1.厚生年金保険料の上限は18.30%(「方向性と論点」では20%)であり、
2.積立金の規模の問題として新たに有限均衡方式が打ち出され、
3.給付水準の下限が設定された。

本書は、平成16年年金改正法が成立した平成16年6月5日よりも前の平成16年3月25日に発行されているため、本書第1章考察の対象が改正法そのものでないのは当然である。著者には今後、改正法と「方向性と論点」との相違、改正法自体の評価を含む論考を期待したい。

まともな議論 ★★★★★
慶応の先生にも市場主義万能でない先生がいるんだなと実感させた本。むずかしいことを極めて平易に書いているその筆力に脱帽。ことしトップテンに入る本。福祉や年金をまじめに考えたいと思っている人は是非読むべき。
2004年労働関係図書優秀賞受賞作品 ★★★★★
厚生労働省「年金改革の骨格に関する方向性と論点」2002年12月を対象にした「第I部 年金改革論」が興味深い。ややもするとごく近視眼的になりがちな年金論議を鳥瞰した視点で考察し、筆者のビジョンを「第II部 積極的社会保障政策論」で展開している。効率向上を至上目的に考える以外の政治経済論も成り立ちえることを示している点で、昨今はやりの議論と一味違い、本書は進取性に富んでいる立論と思う。