2人きりになったイネと村田蔵六。イネが蔵六に問いかけます。
「どうして私の目は青いのですか」
「どうして肌がこんなに白いのですか」
「どうしてこんな色の髪なのですか」
「どうして?どうして?どうして!?」
「村田先生本当の事を教えてくださいっ イネは人間なのですか!?」
「イネ殿は人間であります。」
「では、なぜ髪や目の色がみんなとちがうのです!?」
「めらにん色素の多い少ないによるのです」
「ただそれだけの話です。」
「人間として何の違いもありません。」
「色素の含有量で人間が変わるわけがない」
「皆、同じ人間です。」
「わかりましたね」
「もう一度言ってください・・・・」
「聞いてなかったのですか」
「もう一度言ってくださいッ」
「ですから・・・」
「もう一度言ってください・・」
「あなたは頭が悪いのですか」
「もう一度・・・」
うまいなぁ~、と思います。
村田蔵六の性格、イネの悩み、苦しみ、二人の間の淡い恋愛感情、全てがこのやり取りに凝縮されています。私の拙い抜粋ではとてもこの感動を伝える事ができません。
是非、読んで下さい。