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風雲児たち (幕末編5) (SPコミックス)

価格: ¥550
カテゴリ: コミック
ブランド: リイド社
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歴史に名を残す仕事の実質について ★★★★★
『解体新書』の完成と発行。それを達成した

前野良沢、杉田玄白らと対比させるように平賀源内が描かれる。

橋本治の『江戸にフランス革命を!』の下巻で

江戸にフランス革命を!〈下〉江戸のその後 (中公文庫)

いきなり「私は平賀源内が嫌いだ。」から始まって

「新渡来のオランダブローカーを肩書にした“有名人”という

ロクでもないもの」と酷評される平賀源内。

前野良沢にも嫌われ、弟子からも努力のできない人と陰口をきかれてしまうが

ロクでもないことは当人が薄々感づいていて、努力の結晶として

出来上がった『解体新書』を手にし、自らを省みてあせりを深めていく。

5巻から6巻にかけて、彼の浮ついた有名人ぶりが次第に狂気に

陥っていくことを背景としながら、時代は変化して行き

6巻の最後で「黎明の時代は終わったのだ」と宣言される。

上の『江戸にフランス革命を!』下巻では

橋本治が読みやすいように手を加えた平賀源内の

『痿陰隠逸傳』が収められています。
獅子奮迅の江川太郎左衛門と時を超えた救国の一書 ★★★★★
本巻前半のハイライトは、嘉永7(1854)年1月16日のペリー二度目の来航。

日本を開国させ、通商条約を結ぶことに執念を燃やすペリーは、浦賀へ
行け、という日本側の要求を無視し、直接江戸湾に乗り入れようとする。

しかし、そんな彼らの前に、砲台が築かれた人工島(現在のお台場)があらわれる。

半年ほど前には、影も形もなかった軍事施設を超短期間で作り上げた日本人の底力に
ペリーは戦慄を覚えるが、その難事業をやり遂げたのが、伊豆代官江川太郎左衛門で
あった。

砲台島で、盟友斎藤弥九郎とともにペリー艦隊に対峙する
江川には、一つの仕事を完遂した、男の風格が感じられる。

ところで、そんな江川のもとには、土佐から来たジョン・万次郎がおり、江川は、万次郎を日米
交渉の通訳にするよう進言をしていたのだが、徳川斉昭の猛反対に遭い、実現されなかった。

ここにも、歴史のIFがある。


さて、後半のハイライトは、小笠原諸島を巡る日米交渉。

小笠原諸島をアメリカ領だと主張するペリーは、日本領であることを
証明する世界に通用する客観的な証拠資料を示せ、と要求してくる。

万策尽きたかにみえた日本側を救ったのが、林子平が著し、ドイツ人言語
学者クラプロートによってフランス語で翻訳された「三国通覧図説」であった。

非業の死を遂げた子平の偉業が、時を超え、日本を救ったというだけでも、
これまで『風雲児たち』を読んできた読者には感動ものだが、クラプロートの
翻訳を手伝ったのが、大黒屋光太夫とともにロシアに漂着し、後に光太夫と
別れ、ロシアに帰化した新蔵であったということには、また別の感慨を覚える。


このように人の意思は受け継がれ、歴史が紡がれていくのか、と。




ギャグで感動して泣ける ★★★★★
この巻で描かれているテーマは大きく3つ。
1つ、相次いで訪れる外国船と、それにひたすら目をつぶる幕府。
2つ、田沼意次・平賀源内コンビの活躍と悩み。
そして何よりも3つ目、解体新書の完成だ。
これらの3つのテーマは、現時点では大きな関連を持たないが、
来る江戸幕府の終焉と新しい時代の到来にそれぞれが結びついていく。

とにかくこの巻の見所は解体新書だろう!
完成・出版直前、完璧な訳にこだわる前野良沢と
一刻も早く医学の発展に役立てたい杉田玄白は、
出版のタイミングをめぐって袂を分けてしまう。
それぞれが純粋に医学の発展を思うがための悲劇に思わず引き込まれる。

そしてついに出版。
フラッシュバックするこれまでの「ギャグ」の数々。
ギャグを見て感動して泣けてしまうのは、
このマンガくらいだろう。

この先も幕末まで延々と続くこの作品であるが、
この第5巻が前半のひとつの大きなハイライトであることは間違いない。
お江戸に咲いた蘭学の華 ★★★★★
 18世紀後半。表向き太平の江戸の世にも、様々な事件があった。世紀の詐欺師・ベニョヴスキー、近年再評価の進む老中・田沼意次の政治、彼とも気脈を通じた平賀源内の八面六臂の活躍と薫陶を受けた佐竹義敦と小野田武助が開いた秋田蘭画。頑なに閉ざした鎖の隙間から、西洋の風が吹いていた。

 見所の多い本編のなかでも、クライマックスはやはり「解体新書」の完成であろう。訳にとりかかって4年、全くの手探り状態からついに成し遂げた大偉業。しかし、このとき盟友前野良沢と杉田玄白はすでに進むべき方向を異にしていた。直前になっての決定的な対立と離反。それでも、二人の強い意志は同じベクトルを向いていた。全ては医学の発展のために。かくして、世紀の書「解体新書」は世に出たのである。時に、前野良沢51歳、杉田玄白41歳、中川淳庵35歳。

 この書が与えた影響はすさまじいもので、これより以後蘭学は大きな潮流となっていく。文字通り、新時代の幕開けであった。
めらにん色素 ★★★★★
 一番印象に残った場面を、一つ。

 2人きりになったイネと村田蔵六。イネが蔵六に問いかけます。
 「どうして私の目は青いのですか」
 「どうして肌がこんなに白いのですか」
 「どうしてこんな色の髪なのですか」
 「どうして?どうして?どうして!?」
 「村田先生本当の事を教えてくださいっ イネは人間なのですか!?」

 「イネ殿は人間であります。」

 「では、なぜ髪や目の色がみんなとちがうのです!?」

 「めらにん色素の多い少ないによるのです」
 「ただそれだけの話です。」
 「人間として何の違いもありません。」
 「色素の含有量で人間が変わるわけがない」
 「皆、同じ人間です。」
 「わかりましたね」

 「もう一度言ってください・・・・」

 「聞いてなかったのですか」

 「もう一度言ってくださいッ」

 「ですから・・・」

 「もう一度言ってください・・」

 「あなたは頭が悪いのですか」

 「もう一度・・・」

 うまいなぁ~、と思います。
 村田蔵六の性格、イネの悩み、苦しみ、二人の間の淡い恋愛感情、全てがこのやり取りに凝縮されています。私の拙い抜粋ではとてもこの感動を伝える事ができません。
 是非、読んで下さい。