インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

憲法学 1 憲法総論

価格: ¥3,570
カテゴリ: ハードカバー
ブランド: 有斐閣
Amazon.co.jpで確認
【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:芦部信喜/著 出版社名:有斐閣 発行年月:1992年12月 関連キーワード:ケンポウガク 1 ケンポウ コウギ ノート 1 ケンポウ ソウロン けんぽうがく 1 けんぽう こうぎ のーと 1 けんぽう そうろん、 ユウヒカク ユウヒカク 8611 ゆうひかく ゆうひかく 8611、 ユウヒカク ユウヒカク 8611 ゆうひかく ゆうひかく 8611
自衛隊って何でしょう? ★★★★☆
岩波書店の「憲法」を更に詳しくしたような内容。総論部分とあって、アメリカやフランス、ドイツ等他国の憲法との比較や外国の学者の説の紹介が多く、記述も抽象的なものが多いため、直接試験に役立つような本ではない。

しかしながら、普通の憲法の教科書ではそれほど深く語られていないことの多い日本憲法史や、憲法9条に関してかなり突っ込んだ記述がされており、なかなか興味深いものとなっている。日本国憲法の成立の過程については、松本案のスクープ→マッカーサー草案の提示という流れは芦部「憲法」でも触れられているが、何故総司令部が草案作成を急いだのか?とか、草案を手渡す際、日本政府に対してどんな事を言ったのか?と言ったことが同書より詳しく述べられており、いわゆる「押し付け憲法論」に対しても本格的な反論がなされている。憲法学に興味のある方は是非。

戦後憲法学の苦労の軌跡。 ★★★★★
著者の「憲法」(岩波書店)は法学部生なら一度は手に取る定番であるが、これを読んだ時の私の感想は、憲法学というのは神父の説法みたいだなというものであった。結論に至る過程が語られず、高所から教説を授けられるような印象を受けたからだ。一応、理由らしきものは提示されるのだが、それが他の結論を採る可能性を排除するものにはなっておらず、教科書という点を差し引いても、政治哲学や経済学などの他の学問、あるいは刑法学などの他の法分野に比べ、論証が甘く感じられた。

だが、本書を読んでみて、戦後憲法学もそれなりに苦労して理論を構築してきたのだと分かった。戦後日本の複雑な政治状況の中で、学問としての中立性・廉潔性を保ちつつ、保革対立に正面から巻き込まれないよう留意しながら、個人の尊重や国民主権といったリベラリズムの基本的価値を説いていくことは、決して容易ではなかった。そうした困難な事業に取り組んできた戦後憲法学の苦労の軌跡が、本書からは伺える。また、著者の「憲法」(岩波書店)のある種の「歯切れの悪さ」が、海外の理論を限られた字数で紹介する際にも出来るだけ原文のニュアンスを損なわないようにしようという著者の知的良心の表れであることが、本書を読んで分かった。

とはいえ、具体的な結論には納得のいかないものもある。例えば、一方でポツダム宣言の受託により「八月革命」が起こり「国体」は変更されたとしつつ、他方で「国柄」は変更されていないから明治憲法下で制定された法律も有効だとするのは、便宜的にすぎるように思える。また、現行憲法の正統性や自衛隊の違憲性を論じるに当たり、「法理論としては」という留保を頻発するのも、やや言い訳めいて見える。

それでも、ある程度以上に知的に正直である人ならどうしても感じてしまうであろう憲法学の学問性に対する疑念を、(払拭とは言わないまでも)緩和してくれるという意味で、本書は貴重な一冊である。