孫文と宋慶齢について深く知りましょう。
★★★★★
筆者は2008年に胡国家主席が来日時、日比谷松本楼レストランで孫文関係資料をご案内しています。このレストランの1階には宋慶齢夫人が愛用したピアノが常設されています。
香港のお客と松本楼で会食したところ、感激したお客は後日奥様を連れて再訪されました。
本書は一般的な話題だけでないので、どこの国の中国人との会話でも有効な新鮮なテーマが豊富にあります。
上海の宋慶齢陵墓に行くと各種ポートレートを売っており、最も評判が良いのが、本書にも載っている読書中の宋慶齢夫人との事でした。
本書は全く偏見の無い目で書かれており、中国語への翻訳版があれば、中国友人への土産に最適なのにとも思っています。
筆者の小坂様は上海万博でご活躍されたと聞きました。
この本の読者が、中国人と真の友人になられることを願っています。
映画化に大いに期待される原作
★★★☆☆
車田氏の本が出版されてから35年も経ち、最近まで世間からも忘れられていた日活の創始者、梅屋庄吉のひ孫にあたる方の出版である。
歴史教育がおろそかになった日本では、辛亥革命や孫文といった名前も知らない世代がほとんどだが、第二次大戦前までは中国の民主化こそアジアの独立と平和を成し遂げるための、なによりの方法であると信じていた日本人は少なくなかった。その中でも当時は大陸浪人としてしか一般には評価が無かった梅屋だが、その辛亥革命にもっとも資金を提供し、日本人、中国人を問わず、困った人への積極的な援助を惜しまなかった、極めて稀な存在である。
ただ一度、孫文との初めての出会いで、革命の全面的支援を口約束で通し続け、その信条と義を守り抜いた。
とかく現代人は、長いものやビッグネーム、目先の金には弱いものだが、梅屋の生き方は一度口にした約束は守る、助けると決めた相手は裏切らないという昔かたぎのものだった。
埋もれた歴史と共に、ぜひ現代の人にも、こういった人間としてのまっさらな精神を見習ってほしい。
富貴在心
★★★★★
「富貴在心」は庄吉が好んだ言葉で、「富や尊さは財産や名声ではなく、その人の心の中にあるもの」という意味。激動の時代、アジアを股にかけて颯爽と駆け抜けた庄吉から大きな影響を受けました。