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フェルメール全点踏破の旅 (集英社新書ヴィジュアル版)

価格: ¥1,050
カテゴリ: 新書
ブランド: 集英社
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単にフェルメールの絵を訪ねるだけでなく、絵の中へ入っていく魅惑の旅の記録 ★★★★★
2004年12月から翌年1月にかけて、欧州5カ国と米国に足を運んだフェルメールの作品巡礼記。フェルメールの真作の数が不確定であるのに加えて、盗まれて行方不明の絵、限られた期間に公開されていなかった絵、著者が既に観たという理由で旅の目的から外した絵と国もあるので、厳密には全点踏破の旅ではない。しかし、フェルメールの絵とされるもののうち、絶対に外せないもの(「デルフト眺望」「真珠の耳飾りの少女」等)を含む33点を網羅している。訪れた美術館のたたずまいやコレクションの成り立ちについての記述も丁寧。

著者は、見事なカラー印刷で掲載された33点の各々に関して、来歴と絵の魅力(魅力の薄い絵もあるが、それは何故か)について思索を巡らす。光と影、色彩、寓意を解説し、絵の主題について先人の説を紹介しつつ、著者の推測を述べるが、断定調ではない。様々な考えを許容するオープン・エンドな、知的刺激を与える作品であることがフェルメールの魅力の一部だから、この態度は正しい。最後に、宗教的ではないだろうが、崇高なものへの献身が多くの人を惹きつける理由ではないか、と結ぶが、私も同意見だ。庶民の日常生活のさりげない静謐な時の流れを切り取って愛おしく思う、祈りに似た感情が込められているからこそ、フェルメールの絵は愛されるのだろう。

トロニーという言葉やダリがフェルメールを模写していたこと等を初めて知った。そういう周辺の話も面白い。33点の絵はデルフト眺望を除いて1作を1頁におさめ、見やすい。贅沢な新書だ。
新書にして濃い内容。オススメ! ★★★★★
題名に旅とあるから紀行色が強いのかと思っていたが、良い意味で裏切られた。フェルメール以外の要素は削ぎ落とされていて、無駄がない。モナリザに目もくれず、ひたすらフェルメールを追い求める筆者には潔さすら感じられる。

内容が絵、美術館、都市にフォーカスしている。さすがジャーナリストの筆者というべきであろう。
だからといって淡々としているわけではなくて、筆者独自の調査による考察としてよくまとまっている。
絵に含まれる愚意であるような、ないような、微妙な部分がうまく表現されていると思った。だからといって、自論の押し付けではないから、想像豊かに読むことができる。

新書の形でコンパクトにまとまっているのもうれしい。オールカラーで紙質も良い。
本書を手にすれば、フェルメール巡礼の旅に想いを馳せること間違いないだろう。
こんな旅をしてから死ねたら本望 ★★★★☆
すばらしい。

この本を読んでいるときだけ、現実を忘れて夢のような
旅の世界に浸ることができました。

フェルメール作といわれる33点(実際には37点らしいが、
事情で33点とのこと)を、オランダ、ドイツ、ロンドン、アメリカ
などの所蔵美術館を巡った朽木氏による、一点づつの丁寧な
説明が、現実の時間の流れを止めてくれます。

年代順、ではなく、巡回した美術館所蔵順ということで、
年次ではなく、まさにその作品そのものを丹念に楽しむ旅。

実は「解説」というのは正しくなく、一作のフェルメール作品の
謎を解きながら、ああでもない、こうなのかもしれない、しかし
真実は闇の中、という雰囲気が特に好きです。

謎多き画家の、謎だらけの作品には、こういう旅が似合う。

私も、願わくば、こんな旅を、じっくりしてから、と思ってしまう。

作品の写真もいいのですが、マウリッツ美術館他の美術館の建物
の、そこはかとなく美しい外観写真の掲載はうれしい。
さらに、壁にかかった実際の額写真があるので、そのサイズの小ささと
逆に、絵画の緻密さ、奥行き、精緻さ、そして色彩と不思議さが余計に
伝わってくる、とても気に入った本です。
フェルメールは人形使いだった? ★★★★★
フェルメールについて、あるいは絵全般についても詳しくない人も、本書を薦めたい。本書を読んだ後、小林頼子あたりの本が読みたくなったら、あなたは十分、絵画の専門家と呼ばれてもおかしくない。絵に対する好奇心を喚起する点で、本書は抜群の切れ味をみせている。何回か読み直すうちに、私が着目したのは、”天秤を持つ女”に関する本書の記述である。オランダの風俗画はサイズが小さいという話から、なぜか芥川龍之介の『傀儡師』(くぐつ)という短編集を思い出した。ここにはどの小説にも実際の傀儡を登場させたものはないが、”くぐつ”とは、日本の平安時代以降の人形使いのことをいう。首にかけた小さな箱の中からおもむろに登場する操り人形である。小さな箱から飛び出した人形劇・映画館の映像なのだ。要するに光の世界が傀儡にはある。フェルメールと傀儡には、ほぼ点(小箱)となった量子論的な光の世界という共通部分がある。もっとこの事を知りたかったら、手前味噌にはなるが、この本、「宇宙に開かれた光の劇場」上野和男・著を読むことを薦めたい。傀儡については、同じ著者の本、「縄文人の能舞台」に詳しいことが紹介されている。
美術館に行く前に、ぜひ ★★★★★
2006年9月20日リリース。作品がたった37枚(確実なのは32枚)しかないフェルメールの作品を所蔵する美術館を訪ねて全点踏破するという実に愉しい企画。筆者が多くの文献と美術館に実際行ったときの様子も交えて語っておりとてもなかなか素晴らしい。その絵の持ち主の履歴を『来歴』と言うらしいのだが、そこにも詳しく触れている。

今や、フェルメールは日本で最も人気のある画家のようだ。これはやはりトレイシー・シュヴァリエの書いた小説『真珠の耳飾りの少女』とその映画化でスカーレット・ヨハンソンが演じた主人公の美しさが影響しているように思う。この本でフェルメールの作品全点を観て感じるのは、やはりその表情の神秘性にあるような気がする。昔、サルバドール・ダリの本を読んでいて、フェルメールの絵の秘密が分かれば絵が描けなくなってもかまわない、みたいなことを書いていたのを思い出す。

余談だが、現在、上野の東京都美術館で『フェルメール展(光の天才画家とデルフトの巨匠たち)』が開かれている(2008年8月2日-12月14日)。その展示の中にこの本の冒頭に登場する37枚目のフェルメールの作品、『ヴァージナルの前に座る若い女』が展示されている。2004年にフェルメールの作と認定されたばかりの話題の作品であり、是非ともご覧になることをオススメする。