総譜の読み書きと楽器の知識、入門編
★★☆☆☆
全66ページ。解説書というよりパンフレットに近い内容とボリュームのため評価は星2つとしたものの、オーケストラの楽器の種類やスコア(総譜)の読み方・書き方を一から知りたい本当の初心者には、とりあえずお奨めの1冊と言って良いかと思う。
レベル的には中学・高校の音楽教科書の次の段階といったところだろう。楽器の種類と音域、音色の特徴、記譜法、スコアを作成する際の楽器の並べ方、実際に作品を作る際の初歩的な用法などについて、簡単ながら一通りの解説が行われており、これから管弦楽曲・吹奏楽曲の作曲や指揮、実際にスコアを読みながらの作品鑑賞などを始めたい人には参考になるはずである。初心者を悩ませる(少なくとも私自身は大いに悩んだ)移調楽器の扱いについても、第2章に特に1つの節を設けての説明がある。(なお、PCソフトで曲を作るのであれば、実音で記入した後で調の表記を簡単に変えられる機能があるため、それほど悩む必要はない。ほんと、良い時代になったものです。)
ただ、書かれているのは本当に基礎的な話だけなので、中級以上の読者には、手元に置いて各楽器の音域を確認するくらいの役にしか立たないかもしれない。1963年の出版ということで、今ではやや古くなってしまった内容も見られる。オーケストラについてさらに高度な知識を身につけたい方は、管弦楽法の専門書(タグ「管弦楽法」でリストが出るはず)で改めて勉強されることをお勧めする。
ある程度の知識がある人には,物足りない。
★☆☆☆☆
オーケストラの楽器配置や,各楽器の音程の範囲など。悪いですが,拍子抜けするくらい基本的な内容でした。
スコアの読み方が分かる,というほどの内容ではないと思いました。
ある程度の音楽的知識がある方に
★★★☆☆
「のだめカンタービレ」に影響されてベートーベン交響曲第7番のスコア(総譜)を購入し、CDを聞きながら楽譜を目で追ってみたところ、「?」なところが結構あった。
まず楽器の名前がよく分からない。私は学生時代に吹奏楽部でチューバやホルンを吹いていたのでクラシック音楽に関しては全くの門外漢という訳ではなく、楽器の日本語名、英語名や有名な別名は知っている。
Corniがホルン(Horn)であることは何となく分かったが、その下に書いてあるTrombeはスペルから考えるとトロンボーン(Trombone)のようである。ト音記号で書かれているので「オーケストラのスコアではトロンボーンはト音記号で書かれているのか?」という素朴な疑問を持ったりしたが(吹奏楽のパート譜ではヘ音記号で書かれていた)、それではトランペットがないことになってしまうので、やっぱりこれはトランペット(Trumpet)のことなんだろうなと思っていたが、この本を読んでTrombeがトランペットのことであることが確定した。(まあ、ネットで調べればすぐ分かったことではあるが)
また、ビオラのパートはハ音記号で書かれていて、これに至ってはどこがハ音なのか全く分からなかったが、この本の説明を読んで知ることが出来た。
この本はスコアの読み方について書かれた本であり、いわゆる楽典に関することはほとんど書かれていない。本文は45ページしかなく、さっと読めるので、ある程度の音楽的知識のある方にはお薦めできる。
移調楽器について結構詳しく説明されていて、チューバ(変ロ調、in B)とホルン(ヘ調、in F)という異なる移調楽器を吹いてきた私は少しうれしくなってしまった。
なお、扉のCopyrightによれば1963年に発行された本のようだ(奥付に発行日が記載されていない)。掲載されている楽器の写真も年代を感じさせる。
楽器を触らない人向け
★★☆☆☆
中学校のブラスバンドで移調楽器をやったことがあるような人にはほとんど新しい知識が得られない感じがします。こんな入門書を買うより、ベートーヴェンのスコアを1冊買ってCDを聴きながら、スコアを見るだけで十分かと思います。スコアを見たいと考えるような人はすでに音符の読み方は楽典で学んでるでしょう(でなければ本書だけではとてもスコアは読めない)し、オーケストラスコア独特の内容と言って特に無いという印象を持ちました。
スコアを読めるとオケが楽しくなります
★★★★★
多分、本書は器楽器奏者を対象にしていると思いますが、スコアを読むための知識が書かれており、聴くだけの私でも多いに役立ちました。
スコアを見ながら音楽を聴くのは、楽しみが広がりますが、単純に音符を読むだけでなく、音符のつながりの意味する所などこの本で知りました。
ページ数は少ないのですが、中身は盛りだくさんです。例として記されている曲のスコアも妥当で、勉強になるところが多かったです。