実用度の高い経済統計の解説書
★★★★☆
文体はとっつき難いが、国内のほぼ全ての経済統計を網羅的に解説している、経済統計の百科事典。著者サイドもそうした辞書的な使われ方を意識してか、「概要」「公表元」「公表時期」「留意点」といった項目が指標別に完結するよう工夫されている。また「GDPのゲタ」「SNA統計(内閣府)と家計調査(総務省)とで家計貯蓄率が異なる理由」といった経済統計特有のお馴染みの問題点についてもキチンと言及されている。本書は証券アナリストの指定参考書ではあるが、むしろ合格後にこそ利用頻度が増す感がある。
なお今回の第3版では、前版刊行からの統計数値を更新したほか、「マネーサプライからマネーストックへの改訂」などを手当てしている。