極限まで単純化されたこの本の良さ
★★★★★
一頁に収められているのは、ヘンな間取りが一つと、著者の一言。極限ま
で単純化されたこの本の良さを、南伸坊が「うまいところに目をつけた」
と題してこう解説している。
なるほど、間取り図というものは、それを見る人の想像力を刺激
してやまない。著しく刺激してやまないものらしい。
見る人が見れば、間取り図は将来の希望だったり、憧れの舞台装
置だったり、夢の場所だったりするし、そこからストーリィが始ま
ったり、映画が動き出したりする引き金かもしれない。(P171)
断片的な情報を補完し、想像することが得意な日本人には、うってつけ
の本かもしれない..少なくとも私は楽しめた
間取りを読む
★★★★☆
『間取りの手帖remix』とは『間取りの手帖』(こちらは新書)の増補版です。
まず文庫よりは新書をお勧めします。私は新書のカバーを開いた時「お〜」と感心しました。
マドリストを自称する著者が面白い間取り不可解な間取りを一頁に一つ紹介、一言コメントを付けています。
間取り図を見るだけならなんだか、一瞬で読書が終わってしまいそうですが、
私はこれを読んで間取りとは「読む」ものだと初めて感じました。
マドリストでも何でもない私は提示された間取りを見て始めは「?」です。
しかしちょっと遠回しなコメントを読むと、私はその間取りの中へ入っていき、
意味をジワジワと理解します。
そうして間取りを読みながら私の中には一個二個とツッコミが増えていくのです。
特に見開きでコメントが対応している時などはニヤリ度が高かったです。
惜しむらくは、増補されたコラムがイマイチだった事です。残念。
しかしポケットに入るサイズは嬉しいですし、実直そうなふりをしている表紙も良いと思います。
ページUPのかわりに勢い現象
★★★★☆
元祖「間取りの手帖」は愛読書でした。
一般的な間取り(賃貸、分譲問わず)を見ていると、
「収納少ないな〜」とか「動線がイマイチだな〜」と
感じることがありますが、
そんな些細(?)な問題を笑い飛ばすような、
珍間取り、名間取り、謎間取り満載。
実際のこの間取りの部屋を見てみたい!
何故こんな部屋が!?
一体どんな人が住むの?
とむくむく想像が広がる上、その間取りの下に
絶妙なツッコミがついているから、
下手なエンタメよりも笑える本。
その名著が、増補もされて文庫化という今回、
いそいそと手にとってみましたが・・・
初回のインパクトが大きすぎたせいか、
ツッコミにも初回ほどの切れ味や勢いがなく、
構成も脈絡がなくイマイチに感じます。
シンガーが自身の歌を数年後にセルフカバー
したときの違和感というか・・・
とはいえ、珍妙さ、面白さは相変わらずです。
多少住み辛い間取りの部屋に住んでいても
「これに比べれば(笑)」と思えてしまう、
謎物件ばかり。
出来たら、実際の間取りの物件写真と
見開きで比較掲載してくれたらいいのに、と
思います。
間取り好きの方、必見。
★★★★★
新聞広告のマンションの間取りを楽しく眺めている私。
そんな私にぴったりの本でした。
なんでこんな間取りになっちゃったんだろう〜?と、素朴に疑問に思うものばかり。
いったいどんな生活がそこにあるのか…、自分だったらどんな風に暮らすだろう?と、
何度も見返しちゃいます。
すべての間取りにタイトルがついて、ちょっと理解できず、
「??」といったものもあるけれど、それはあくまでも作者タイトル。
自分だったらと考えながら読んだりするとまた楽しい。
ピンとこない
★★☆☆☆
小さいころから広告などで間取りを眺めるのが大好きで、この本を本屋で見つけた時はとてもうれしかったのですが・・・。
まず表紙裏の著者のふざけた写真で一歩ひきました。間取り自体は面白かったけれど、それにつけられた著者のコラムが、いまひとつピンときませんでした。