日本中、世界中、誰一人手書きのレビューはないだろう。
この本は、書名タイトルも口絵にも手書きだ。語りかけの優しさ、温かさが伝わってくる。
最近、いつ泣いた？いつ笑った？…この活字では堅い。冷たい。
中扉にも「休んだって、大丈夫。」「完璧じゃないのが、完璧。」
「このわたしで生きていく」「枝のように、しなやかに」「心の声、聞いていますか？」
とやわらかい手書き。心の篭もった手書き。
　中でも「悲しいことは、美しい。」…この章では「純粋な悲しみは、
やさしさの裏返しです」という一文が光っている。
それは、「あなた自身や他者に対する想像力から生まれたやさしさです」
とも説明している。それが相手への憎悪や自分への後悔の念になると、
「苦しみ」に姿を変えてしまう。
そして、それはマイナス思考につながり、その人の運命や将来を暗転しないとも限らない。
【ただ一心に悲しんでください】
【悲しんで涙する自分をいとしんで下さい】
【心が悲しみに揺れたら、なんにも考えないで、気がすむまでひたすら泣いたらいいんです】
　そして、次のポピ族の格言が光彩を放っている。
【泣くことをおそれずに。泣くことは、悲しみにあふれたあなたの心を解き放つ】