1度本屋さんで見かけて･･･。
急いでいたのと重そうだったのでその時は購入せず、ネットで購入しました。
祈りなんて「神様、仏様〜〜〜」という急場をしのぐものか
お葬式とか宗教に入っている人のイメージがありました。
映画なんかでよくキリシタンの方が祈っている場面は見ますが。。。

この写真集、決して特別な難しい宗教の儀式のより集めではない。
女性の方が立派な宗教服を着て儀式をしているシーンは荘厳と襟を正す思いがしました。
普通の信者の方がお参りしているシーン。子供、お年寄り、女性･･･どこにでもいる方々。
手を合わせて真剣に祈っている姿もあれば、柔和な笑顔でやさしく祈っている姿。


祈りってこんなに身近だったんだ！特別なことではないんだ。
なんだかた自然と手を合わせたくなる。。。ページをめくればめくるほど
心が静まっていく。そして温かいぬくもりを感じさせてくれる写真集。

宗教的な荘厳さの祈りと一般の方々のごくごく自然な祈りの調和がすばらしい。
本当に人々が普通に神社やお寺で祈っているようなページもあるのですが
その祈っている方々の表情が心を和ませてくれます。
心が疲れた時、悲しかったりイライラしたりした時、ページをめくると自然と心が休まります。
そして優しい気持ちにさせてくれる1冊。
どのページも「祈りが心に響いてきます」
きっとこの写真集自体が「祈り」の凝縮なんでしょうね･･･。

決して特別ではない。そして人として生まれてきて「祈る」ことができるということは
すばらしいことだと気づかせてくれる作品です。

そう、まるで海の中の生物の写真集やお花や大自然の写真集のように･･･。
癒される、そして周りに優しくできる。

祈りなんて！宗教なんて！と思われる方も是非手にとって見てください。
莫大な癒しとぬくもりが伝わってくることがわかると思います。

一枚また一枚とめくるうちに涙が出てくる。
なにか、とてつもないオーラを感じざるを得ない。本はコピーすればコピーになってしまうのが普通である。
しかし、この本は一冊が非常な重みとともに存在している。
とても本とは思えない。
圧巻の一言。

全編モノクロームの写真集。

その白黒であるはずの世界に、なんとも温もりのある、光が満ちている。
その集う人々の仕草や笑顔、真剣なまなざし、炎の形、大気の様子、
この時空間を切り取った光と影の断片が、何か澄んだものを
写し撮っていると感じる。

祈りとは、形ではなく、それは人々の生き様から感じられるものだと思わせる写真たち。
自分のお願い事をかなえる為の様な、そんな閉じた祈りではなく、周囲に開いていく
明るいものを感じる。

季節柄、さわやかな秋の陽光に、涼やかな風を感じるような一冊でした。

柔らかな温かい光りが放っているような表紙の後ろ姿にとてもひかれました。
ページをめくると、写真一枚一枚から不思議なぬくもりが伝わってきて・・・
何だろう・・・あたたかいものが心に広がって幸せを感じました。
写真家の小林正典さんには、何が見えていたのでしょうか・・・。