インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

新しい階級社会 新しい階級闘争 [格差]ですまされない現実

価格: ¥1,260
カテゴリ: 単行本(ソフトカバー)
ブランド: 光文社
Amazon.co.jpで確認
格差論についてひとつの考え方、行く末を示してくれる ★★★☆☆
格差論といえば、独自に収集したデータを分析した内容で論説を作っている
三浦展氏が非常に目に付くこともあり、データ(つまり図表)が少ないと
物足りないように感じてしまいがちです。

しかし、著者が用いているデータについては公的なものであり、
そこから自論を導いています。また、戦後当時の名画をもとに現在の格差社会
との共通点を示している点は他の格差関連本では見られず新しい
視点でした。

戦後の日本と現在の日本では、まったく状況は異なりますが、
アンダークラスが持つ思いなどは同じなのではないかと思わせる
説得力がありました。

前半部分の内容があまり好きでなかったこともあって星3つにしましたが
後半部分の名画の論説や、公務員と階級闘争についての今後については
非常に面白い内容でした。

これはもう格差問題ではない ★★★★★
 「下流社会」が話題になり、ヒルズ族とニートが対比されている時代はまだ牧歌的だったのかも知れない。昨年佐野眞一氏のルポで東京都足立区の中学生の家庭で何と4割以上が就学に際し社会福祉の恩恵を受けているという事実が白日の下にさらされてから、事態は想像以上に深刻な問題として認識されたと思う。もはやこれは格差問題ではない。貧困問題である。本書では更に多くの数値・統計を挙げて、日本の現状を分析する。

 本書にたびたび引用されているように、政財界の要人が「日本はまだ格差が少ない」というのは欺瞞である。先進国中では貧困率の度合いはトップレベルだ。「競争は悪いことじゃない(小泉元首相)」「皆さんそんなに困っているわけじゃないでしょ(福田首相)」発言の主は恵まれた二世、三世政治家である。

 ディケンズ的社会と言ったような言葉が英語にはある。チャールズ・ディケンズは「オリヴァー・ツイスト」他の文学作品でと当時の英国の過酷な貧困層の実態を描いた。貧困層の研究は、英国の資産階級の人間が始めた。彼らは持てる者、知識階級の義務を理解していたのだ。

 「自分とその子孫が資産を持つことができればそれでいい」と考えれば平和なのか。否、そうではなかろう。社会的階級の上昇が困難になり、希望が無くなった社会は疲弊する。不安になる。

 高い税率にして福祉・平等社会にするか、犯罪の多い格差社会にするか、単純な二者択一ではないし、その度合いは判断が難しい。しかし「人生の満足度は金だけじゃない」と持てる者がうそぶくならば、この問題はもう少し考えた方がいい。

 学者の書いた本にしては階級闘争を煽るような文章が多いが、これはあえて関心を喚起するためだと思う。いずれにしろ、読後深くため息をついた。
言っているより ★☆☆☆☆
著書は自身のブログでいろんな人の批判ばかりしている。それに興味を持って著書を読んでみたが、世間で話題になっているような話を寄せ集めたような仕上がりでがっかりした。学者が問うべきことは、蓄積された論であったり、新たな視点のはずなのに、全く新しい話もなければ、主張し続けているものもない。労働界の学者でさえこのような始末であれば、日本の格差問題が解決するはずがない。
ホワイトカラーに選択を迫る ★★★★☆
 ここ数年、店に行っても電車に乗っても思うことがある。そこで働いている若い人たち。
あなたは契約社員か派遣社員なのですか?あなたの安い賃金のおかげで、私の生活が快適に保たれているのではありませんか?
 私の職業人生の始まりは、25年前。地方自治体の嘱託公務員だった。自給850円。それが今でも、ほとんど変わっていないと聞く。私は正規雇用になるように上司から声をかけられたが、今ならどうだろう。低賃金で能力を使い倒されているのではないか。
 本書は、正規雇用のホワイトカラーに選択を迫る本である。題名はいかついが、革命を謳ってなどいない。社会の不平等に気がついたアンダークラスたちが耐え切れずに爆発する前に、彼らから受けている恩恵を彼らに返すべきだ。それこそが、社会を健全にたもつために支払われる「痛み」だろう。それをせず、彼らから絞りとって、さらに上の階級を目指すのか?
 神様から垂らされた一本の蜘蛛の糸にすがったカンダタは、それを独り占めしようとして、結局糸を切られることになった。私たちも彼と同様に、恐怖に駆られて人を蹴落とすのだろうか。いや、もうそうしているのだろうか。そのような社会は、アンダークラスにとってはもちろん、一見安定したホワイトカラーにとってもどれだけ暗いものかを、本書は教えてくれる。
普通 ★★★☆☆
「これでもか!」というほど具体例を挙げて格差と貧困の悲惨さを述べています。
小泉前首相等、格差容認派は都合の良いデータだけを並べていると批判しています。

しかし都合の良いのは本書も一緒ではないでしょうか。
内容としてはニートやフリーター等、若者の貧困が主ですが、読者に格差の存在を認めさせるため、
いきなり高齢者の貧困が取り上げられたりします(それはそれで確かに問題ですが)。

そもそも、なぜ若者の貧困が発生したのかについての考察が浅いと思います。
一般に団塊世代の雇用を守るために新規採用が控えられたと言われますが、
新規採用を控えるほど日本経済が苦しくなったのは何故でしょうか?
雇用の弾力性が求められるようになったのは何故でしょうか?
非正規雇用の賃金を低く抑えるのは何故でしょうか?
著者はそうした根本的な要因には一切触れていません。

そのような背景を踏まえずに、「最低賃金を引き上げろ」とか言われても・・・。
確かにこのままでは日本は大きな社会不安を抱えるであろうことには同意できます。
対策として正社員の給与を下げて非正規の待遇を改善せよということにも納得できます。
しかし正社員と非正規の不公平をいたずらにあおり、階級闘争を訴えるのはちょっとね。