電車向きかな
★★★☆☆
期待を裏切らない読みやすさで、じっくり腰を据えて読まなくても十分楽しめる。
しかし、この作者の作品は何度読み返して読みごたえがあるのに、この作品は一度読んだらしばらくお腹いっぱいという後味のよくない展開だった。
2部構成なので、電車の中でちょっと読む、というのにはおすすめ。
設定が活かされているとは思えない
★★★☆☆
小学生の時に死んでしまった父親が「ガーディアン」として私を守ってくれている。
勅使河原冴に害をなそうとする者には、その威力に応じたしっぺ返しをくらうことになる。
そんな不可思議な力を目前で見てしまった同僚たち、その結果は……
勅使河原冴の章は、そんな設定で話がはじまります。
父親(らしき力)に守られた女性を恐れるのか、受け入れるのか。
石持さんらしい、人の汚い部分を見せられるようで読後感は決して心地よくはなりません。それでも、冴の章はなんとなく理解できるのです。
栗原円の章は、冴の娘の話。ガーディアンは円に移ってしまっていますが、あまりにも冴の章と趣がことなってしまっておりどうにも……。
なんとなく、設定がいかされていないような感じがします。
相変わらず地味に仕上げてくる作品
★★★☆☆
BG、あるいは死せるカイニス (ミステリ・フロンティア)以来の石持作品だったものの、
作品に対する印象は前と同じでトリックよりも作品全体に流れる穏やかな空気が勝っている。
特に今回は亡くなった父が娘が危険に遭遇すると相手の敵意に比例して攻撃するという設定なため、特殊な能力に守られている娘の悲しみが重なりより地味な作品になっている。
母から娘へ受け継がれていく特殊な力が生きておらず、
2作品目の娘の話は別モノにしか思えないくらい祖父を利用して涙するラストに失望した。