心の柱を創るために
★★★★★
陽明学を筆頭に東洋の智慧に依って多くの足跡を残した「智の巨人」の生涯がこの本が処女作である著者の意気込みと情熱とが相まって書かれていてスゴク引きこまれた。安岡氏を紹介した本はおおにして安岡氏が政界に果たした役割や影響、学問的な業績や足跡に焦点をおいて書かれているものが多いが、この本はそれらの要素を織り交ぜつつも、安岡氏が何故に学問を求め、どの様な想いで政界を含めた人々と関わり、遠回りと思われても人材を創り上げることに心血を注いだかということが丹念に綴られていて他の安岡氏紹介本とは一線を画していると感じた。価値観が定まりにくい現在、心の柱を創りたい人は一度読んでみて損は無い一冊であると思う。