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ひと相手の仕事はなぜ疲れるのか―感情労働の時代

価格: ¥1,575
カテゴリ: 単行本
ブランド: 大和書房
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素晴らしい本です。 ★★★★★
医療関係者ですが、大きくうなずきながら一気に読了しました。医療現場のナースやドクターの疲労と苦悩を中心に、医療現場以外の、国内外にわたる国、社会、家庭での深刻な人間性疎外の話題まで、はば広く丁寧に書かれてあります。感情労働の解決法は全人類に与えられた大きなテーマであることを深く考えさせる力作です。周囲の職員や親しい人々に勧めたい一冊です。
感情労働の時代を生き抜くために ★★★★☆
ある新聞コラムで紹介されていた「感情労働」という耳新しい言葉から手にした一冊。

ここでいう感情労働とは、
「職務として表情や声や態度を演出することを求められる仕事」、
「職務上、感情のコントロ−ルが不可欠な職業」とされている。
つまり感情そのものにも、商品価値があるという考え方から、
肉体労働、頭脳労働につづく“第三の労働形態”として取り上げられている。

もともと70年代、米国の社会学者ホック・シ−ルドが、
航空会社の客室乗務員の労働と感情の結びつきに着目し提唱したとのこと。
本著では、次のような問題意識からアプロ−チし、
単に民間の対人サ−ビス業だけでなく、医療や福祉などの看護や介護、
さらには教員や公務員などその対象を幅広くとらえている。

 「職場では、私個人の感情より、職業人としてのあるべき感情が優先されることがしばしばです。
  それが新しい人間疎外を生み出しているともいわれている。
  現代は、物を生産したり加工したりする職業よりも、人すなわち顧客を相手とする職業についている
  人が多数を占めるようになってきました。そうした職業では、顧客のものにしろ自分のものにしろ、
  感情はつきものです。しかも、働き手はその感情をうまくコントロ−ルしなければなりません。(中略)
  現代社会における職業と心、とくに職業柄、自分の本当の感情を犠牲にして働かなければならない仕事に
  ついて、労働の感情的側面が、自己というものにどのような影響を及ぼしているのか、
  そして人間が働きながら疲れ果ててしまうのはなぜなのか、そのメカニズムに迫ってみたい。」

 タイトルである「ひと相手の仕事はなぜ疲れるのか」の問いへの著者の答えは、こうである。
感情労働として「人間味のある応対」、「誠実ないい人」を強制され、偽りの自己を演じ続けると、
その代償として、本来の自分らしさが失われていくこととから、精神的な疲れが生じるのである。
そして、そこには、市場原理や経営効率という名のもとに進められている
「マクドナルド化」という言葉に象徴される雇用の不安定化に起因する背景があると指摘する。 

 では、私たち現代人が、生き生きとした感情を取り戻す手がかりをどう考えればよいのか。
その試みとして、「異和感に注目し、内省を深化させること」「人間らしく生きる哲学を見いだすこと」をあげ、
こう結んでいる。

 「従業員が自動車の部品のように取り扱われている職場が増えている現状では、
  個人の自助努力だけで人間らしさを失わないでいることは不可能です。
  企業だけでなく、医療や教育や福祉のまで利益優先の市場原理が侵食してきている現在、
  働くことの意味や人間らしく生きることについての哲学が、
  社会全体に問われているのではないでしょうか。」 

 今日顕在化している様々な社会的な病理現象を読み解く上で、貴重な手掛かりを提供してくれる。
大部でもなく、また難解でもないのだが、内容が内容だけに、読み通すだけで読み手が、どっと疲れてしまう、
つまり深く考えさせられる一冊である。

「感情労働」問題に取り組む時期がやってきたようです。 ★★★★☆
本書で取り組まれているテーマ、「感情労働」という話題性のあるキーワードに惹かれ、そのコンテンツを理解したいために読んでみました。
今まで、「肉体労働」による体の酷使が、そのあとに「頭脳労働」によるストレスや過労死が大きくクローズアップされていました。
それに代わって、分類として新しく、第三の労働要素である「感情労働」により、PTSDなどの後遺症を引き起こす可能性があるということが問題視されるということです。
医療やを教育を含み、対面接客や電話応対による各種サービスに携わる人においては、表情は作り笑いの笑顔でも、心の中では悩んでいる人は多いようです。もしくは、その時は何事もなかったようにみえて、後々にトラウマとなり心を蝕んでいくようです。
まさしく今、「感情労働」に対して真摯に取り組み、心のケアを話題にする時期が到来したのではないかと思います。
本書は、そういったことが問題視されますよという危険信号を発していますが、「感情労働」を中心とした言葉を紹介していることにとどまっています。
話題性があるフレーズに取り組んでおられるので、問題とする事象を多岐に渡って広げずに、ロジカルに、クリアに主張しようとする論点に絞り込んでまとめ上げれば、一層読者への理解が深まったのではないかと思います。
読みやすい本です。 ★★★★☆
良いところだけをみれば 良い本です。読みやすく わかりやすい本です。

余計なことも多いのですが、

夏石鈴子の小説「いらっしゃいませ」を教えてくれたりして(しかし なぜに角川文庫はすぐに品切れになる。。。)
映画の「カッコーの巣の上で」も一度TVでみたけれど 病院スタッフが出演していた話、へえそうかと 思わずDVDを買ってしまいました。

もちろん 急変 という言葉がわからなかった話には びっくりですが、頻回みたいな業界用語なんですかね、と勉強になりました。
TLCも 考え方が いろいろある という理解でよいかと思います。
筆者も 適当に らんぼうに ちゃらんぽらん という略語 という話まで書いていることだし。
「感情労働」をつまみ食いするための本 ★★★☆☆
自身の経験や考えに基づいて書かれた本と、そうでない本がある。本書は多くのリサーチ活動に基づいている点では後者に属するものである。「感情労働」に関して活動をし、あるいは著作を発表している多くの人々が紹介されており、「感情労働」を初めて知りたい者がこの世界をかいま見るためには格好の本である。
しかし他人の著作から文章を引用した上で、それを真っ向から否定するのであれば、武井氏はそれらの方々の名前をアルファベットで伏せるような卑怯なことはすべきでない。これは本書の拭いがたい汚点であり、アマゾンにおける他の読者諸氏の批判は正当なものである。残念ながら他者の文章の引用や、それに対するコメントの合間にわずかに見受けられる著者自身の個人的見解には見るべきものがなかった。
結論としては、残念ながら購入するほどの価値はない。