有名ではないけれど最高!
★★★★★
大昔にNHKラジオの「日曜名作座」でドラマ化されました。のちに本書を読んだのですが、本当に面白い。原作は海外の作品でこれを翻案したのが黒岩涙香、さらに後年乱歩がこれを下敷きに書き直したものだそうですから、正確には乱歩のオリジナルではありません。
大仕掛けな時計塔を舞台に繰り広げられる不気味な幽霊話、美女、ロマンスetc古き良き時代の冒険小説です。最終章が「大団円」というのも古めかしくてよろしいです。やや国籍不明な印象を受けるのはおそらく原作が海外作品であるためかと思いますが、かえってそれが「物語」としての舞台として際立っているように思えます。
謎解きが不十分のような気がします
★★★★☆
まず読んだ感想としては、作中にちりばめられた謎がすべて明かされてないような気がします
まず、長造の養婆殺害の動機、蜘蛛屋敷にいた少年、おそらくもっとあるかと思いますが
自分の解釈でもって読み進めました。
不朽の名作
★★★★★
ウィリアムソンの『灰色の女』を黒岩涙香が『幽霊塔』として翻案したものを、さらに乱歩が書き直したもので、高校時代夢中になって読み、ヒロインに恋してしまったほどだった。まあそれ以来読み返していないからいま読んだらどうだか分からないが、名作だと思う。
時計塔の秘密
★★★★☆
江戸川乱歩が持ち味を遺憾なく発揮した一冊。
おどろおどろしさ、謎の美女、超科学、陰惨な殺人、迷路。そういった要素が渾然一体となって、魅力的なストーリーを織りなしている。乱歩作品のなかでも、娯楽色の強い一冊といえよう。
なかでも面白いのは、時計塔の内部を探検する場面。こういう建物を私も建ててみたい。
時代のギャップ
★☆☆☆☆
良書はどれほど時間がたっても良いものだと思う。
しかし、本書はいただけない。
文章や会話が陳腐。くどい。
現代なら一言で説明できることを何十ページにもわたって記述している。
設定が大正時代ということを差し引いても幻滅感はぬぐえない。
例えば「吾輩は猫である」などは今でも十分おもしろく読めることを考えるとそのギャップは大きい。
「幻想怪奇」と銘打っているからだろう、おどろおどろしさを盛り上げようとの配慮は感じるのだが、それも度が過ぎるとさめてしまうものだ。
こういったジャンルの小説に時間の壁は酷すぎるのか。