どちらかというとマニアックか
★★☆☆☆
日本語のルールを細かく説明しているというよりも、著者が気になる日本語の使われ方を指摘しているような傾向がある。
複数の著者で書かれているためか、各章での話題の取り上げ方がまちまちなのも気になる。
比較的正しく日本語を使える人が読んで解る内容で、若干マニアックなところも。
前書きで日本語を外国語として学ぶことを視点にしていると説明しているが、外国の人が読んで勉強できる構成ではないと思う。
人によっては効果的
★★★★☆
まともな文法の本は他にもありますが、
読むことにも書くことにも慣れてない人には
重厚でとっつきにくいものが多いのが現状でしょう。
そういう人にはこの本の、
気軽に手に取ってみようかと思わせる
手軽さ、内容の軽さ・薄さ、読みやすさは
悪くないものだと思います。
お薦めは敬語についての第四章。
敬語に悩んでいる人は、
この章を読んで身につければ、かなりの自信がつくことと思います。
タイトルがミスリーディング
★★☆☆☆
高校生・大学生や一般のブロガーを対象に書かれた、書き言葉としての日本語表現トレーニングブック。大学の非常勤講師や大学院生といった若い研究者の執筆した本で、肩肘張った本ではない。記述は簡潔で、文字も大きく、半日から1日で読めると思う。
全5章構成。各章のテーマはそれぞれ、「てにをは」ルール、類義語・同音異義語等の使い分け、漢字・平仮名・片仮名の使い分け、敬語、文章構成。章ごとに執筆者が異なるが、節ごとに問題が示され読者と一緒に考えていく、という共通のスタイルが採用されており、統一感がある。
「はじめに」に「本書は、日本語をいわば『外国語』として学ぶことをとおして、自分の日本語に自信を失いかけている方の自身を回復することを目的とした本です」とあるが、これは第1章(「てにをは」ルール)と第4章(敬語)にしか当てはまらないように思う。そういう意味で、本書のタイトルとして『日本語てにをはルール』と題されているのはミスリーディングだと思う。
また、扉に「日本語の全体像をわかりやすく解説」とあるが、素人が文章を書く際に注意すべき事柄を網羅的に解説した本ではなく、むしろかなりピンポイントの内容となっている。高校生・大学生向けの「文章のまとめ方入門」として考えても、充分な内容とは言い難いと思う。
日本語にセンシティブになろう
★★★☆☆
文中の語の順序で変わる文の真意、語をつなぐ「てにをは」の役割や性格、主語と述語がそぐわないことで生じる文のねじれ、など、知っていると思っていても、なぜそうなのかを知らなかったことに気付きました。
単なる感覚だけではなく、主語をつなぐ「が」はいちばん近い述語につく、など、
論理的に説明されており、
日本語で、わかりやすい、読みやすい文章を書く必要を感じる人には一読をお勧めします。
あくまで読み物にすることを狙いに書かれており、助詞の基本的内容を網羅しているわけではありません。
なので、日本語を学習している方にこれ1冊で、というわけにはいきませんが、
学習中の方も、応用編ということで読むと楽しいと思います。
内容については、半分くらいが間違いやすい言い回し、敬語などで
大人が読むにはあまり新鮮味はないように思いますが
全体的にクイズ形式になっており、答えを選択して続きを読むと正解と解説が出ているので
通勤、通学などのちょっとした時間にも読みやすいです。
最終章の文のつなぎ方などは、小論文で意識するとよいように思いました。
メールや携帯の画面で表示される例文が多用されていることからも、
おそらく学生さんや社会に出たての人を対象にしているのではと思いますが
そういう方は必読だと思います。
書名から助詞の例がもっと多いことを期待していたので、個人的には星3つ。