諸葛孔明 下巻 (中公文庫)
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成都を無血開城させ、劉備は益州の主となった。孔明は新政権の安定に心血を注ぐが、荊州に留まり魏軍と対峙していた関羽は、呉に挟撃されて非業の死を遂げ、さらに張飛も逝った。呉への復讐戦で大敗したのち、主君劉備も死の床につく。後事を託された丞相孔明は、人材の養成と国力の充実をはかり、やがて後主劉禅に「出師の表」を呈して、北のかた漢中へ向かう。しかし、街亭で敗れた蜀軍は振るわない。死期の近いことを自覚した孔明は、輿に乗り白羽扇を手に、五丈原に陣を布く……。乱世に理知と誠意で立ち向かう孔明の感動的な生涯。