歴史に「もし」があるならば、そんな小松帯刀伝です。
生誕から亡くなるまで、貴重な写真と共に、詳細に記してあります。

大河ドラマ「篤姫」を見た方なら、各場面の映像が浮かぶでしょう。
復習にはもってこいです。
ただし、小松帯刀と篤姫は実際には接点はなかったようです。

早世したため「埋もれた維新の偉人」とも言われていた小松帯刀の、おそらくかなり早くに出版された伝記です。また、管見で見る限り、現状では小松単独の伝記では最も詳しい内容の本であると思います。
この本の長所は他の方のレビューにもあるように、親しみやすい文章で小松の生涯を堅苦しくなく読めるところです。が、それは一方でも欠点ともなっていると感じました。史料を基にした歴史論文的な文章と、おそらく著者の創作とおぼしき台詞のやりとりが主な小説的な文章が混在し、読み手はどこまでを史実として受け取って良い物か、判断に窮します。
そのため、この本の内容をレポートや論文に使われる方はかなり取り扱いに注意が必要でしょう。でも、小松のまともな伝記は今のところこれぐらいしかないのが残念です。評価☆３つは上記の理由からやや辛目にしています。

小松帯刀に関する本がこの世に出ていない中で『龍馬を超えた・・・』
が運命的に発行され、その中における本の紹介にてこの著を知ったが
既に廃刊という事で、古本を探し続けていたところ、またこの本の紹介
を得て即座に購入し、大変感極まっています。

大河ドラマで一躍脚光を浴びた維新の英傑・小松帯刀。
系統だった史料の少ない中を、著者が渾身の力をこめて書き上げた労作。
原口教授の「龍馬を超えた男〜」よりさらに詳細な伝記です。
幼少時からその死まで集めえる史実に沿って進んでいきます。
歴史書のような堅苦しい筆致ではありませんので、誰でも楽しみながら
読めるのもいいところ。
若くして亡くなってしまったために、その功績にもかかわらず、歴史に
埋もれてしまった帯刀の無念を晴らすかのようです。
本書でぜひ、心優しく薩摩藩をしょって立った帯刀をご堪能あれ。
復刊してくれた出版社にも感謝！

この人がいなければ西郷さんも大久保さんも維新三傑と一人として働くことができなかった。もっともっと評価してあげてもよい偉人の一人。惜しむらくは早く亡くなってしまったことです。もっと小松帯刀のことを知りたい。そう思う一冊です。店の対応も非常に早く送付していただきよいです。