１９９０年、ビルマとの国境周辺の山岳民族の村々を訪ね歩く日々の中で、国境警備兵のサムと親しくなる。サムが案内してくれたのは、緩衝地帯の森の中にある桃源郷のような村だった。そこで、中国人とリス族の混血の女アイジンと出会う。彼女から愛を告白されて有頂天になったが、アイジンはサムの恋人であり、この地の麻薬の利権を独占しているクンサー軍兵士の妻でもあった。魔性の女の呪縛から逃れ、僕はリス族のアリパの案内で山岳民族の楽園をめざした。

目次
１章　国境の村
２章　高貴な人々・リス族
３章　緩衝地帯の森に咲く花
４章　クンサー軍兵士の妻
５章　ホーメカムへ
６章　秘境の朝
最終章　タートンの戦い