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隷属への道 ハイエク全集 I-別巻 【新装版】

価格: ¥1,995
カテゴリ: 単行本
ブランド: 春秋社
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誰もが限界の多い人間でしかない! ★★★★★
 ・経済の統制とは全生活の統制である・経済的自由なしにどんな自由も存在しない。
 ・私有財産は自由の基礎である、それを持つ者だけではなく、持たない者にとっても最重要な自由の保障である
 ・経済的なリスクを伴う職業に対する意図的な軽蔑、利潤、利益というものに対する道徳的誹謗=商業的精神はいかがわしいのか?
  非利己的で清潔な職業=官僚 分配の正義、社会保障の特権に確固とした意味は無い。 全体主義とは中産階級の社会主義である。
 ・・・メモしながら興奮して読んだ昔を思い出します。
     社会主義=社会正義の稚拙な理解、幻想に最終的にさよならさせてもらった本でした。
   しかし、昨今「経済的問題の解決には富の一般的増大が必要である」・・・ことって難しいですよね。
自由主義の古典的名著であり必読の書 ★★★★☆
 個人の自由と私有財産権の重要性を強い説得力をもって説く名著である。現代の資本主義社会において尊重すべき価値とは何かを明らかにしている。現在まで世界中の多くの国々で、既得権益者を庇護する国家や独占的企業に支配された状態を擁護するような似非「自由主義」が跋扈してきた状況を否定しつつ、自発的な市場における交換を通した価値の創造を根本とする自由主義のあり方を再確認しながら、「福祉国家」や社会主義が、その理想に反して、結局は集団主義的な人間の隷属と搾取につながることを論理的に説明している。
 自由主義やリバタリアニズムの思想(いわゆる日本で何年か前に流行った「新自由主義」とは違う)を学ぶには好適の書である。
 ただし、司法や公共サービスにおける国家の役割を高く認めている点については、ラディカルなリバタリアンからは批判も多い。ラディカルなリバタリアンの考え方からすれば、国家は最大最強の独占体として合法に国民に強権を行使して永続的に搾取と収奪を行っている張本人だからである。その意味では、本書に原理的な一貫性を求めるよりも、むしろその歴史的な価値を高く評価すべきだろう。
自由と計画経済は両立しない ★★★★★
 本書は計画経済論争を知る上で重要な文献です。思想的に読むこともできますが、経済理論の観点から読むと計画経済を根源とする問題がよくわかります。より多くの平等を求める社会主義という理念を実現する手段としての計画経済が持つ欠点が社会主義の予期せぬ結果を招くということです。本書ではあらゆる計画を含む手法を「集産主義」と呼んでいます。


 まず、中央集権的計画経済では社会に分散する情報(知識)を中央当局が集めることは禁止的に困難であって、個人の持つ知識を最大限に活用できないということです。情報をもたない中央当局の計画により経済運営をしても社会の資源は効率的に使われないことになります。一方で、競争のある自由主義経済では各人が持つ知識を自由に発揮でき、資源が効率的に使用されます。以上の観点から個人主義が重要であることがわかります。ここでの個人主義はエゴイズムという意味ではありません。


 さらに計画下では職業選択の自由がありません。計画当局がどれをどれだけ生産するかを決めることから、職業も指定されます。これは個人に耐えがたい仕事を強制することにもなります。さらに、職業間の労働力移動がないため、需要が増大している部門への労働力移動が速やかに行われません。競争社会では成長産業の賃金が上昇するのでインセンティブを与えることになりますが、計画では当局の命令のみです。これでは社会で必要とされる財が不足します。
 

 計画化は政治的な問題も起こします。すべて指導者の計画により運営されるということは、独裁者や官僚組織を必要とし、民主主義ではなくなります。この点で社会主義とファシズムには共通点があることが指摘されます。さらに、意思決定がそのときの状況で裁量的に判断されて、あらかじめ定められたルールが無視されるようになります。あらかじめ定められた抽象的ルールで政府が行動するという「法の支配」が破られていくことになります。社会保障も意図的に保護された集団しか受けられなくなる恐れがあります。ちなみにハイエクは社会保障を否定しているわけではなく、自由を守るための保障は認めています。競争社会でのリスクを減らす保障はするべきだということです。


 本書は他にも当時の思想傾向などにも多くのページが割かれており、読むのは簡単ではありませんが今日の問題を考える上でも参考になります。市民的自由と所得の完全平等を実現するための中央計画は両立不可能だというのが本書の教えることです。その不可能性の中で我々はいかにして経済制度を設計するべきか考えるといいでしょう。鈴村興太郎『経済学全集〈14〉経済計画理論 (1982年)』はこの経済制度設計の問題を解説した名著です。


 ハイエクの考え方をさらに知りたい方は、『個人主義と経済秩序 ハイエク全集 1-3 【新版】』収録の「真の個人主義と偽りの個人主義」・「経済学と知識」・「社会における知識の利用」・「社会主義経済計算」を参照すると理解が深まります。
本当の自由主義 ★★★★★
自由主義がとかく自由放任主義だと誤用される傾向が多いのですが、本当の自由主義は、
他者の自由を不当に制限しない範囲で、各個人が自由を自己責任で享受すること、
そのためには特定利益集団が権力を不当に得られないようにするために、権力の分散が必要であること、
更には各個人が競争を通じて、不断の努力を通じて個人だけではなし得ない発展を促進すること、
だとしています。

また、これらを継続して推進していくことは決して楽なことではないのですが、
それを避けるために競争を避けようとする資本家と競争を避けようとする労働者が手を組むことが、
その集団の権力を不当に強化し、他の集団の地位を強制的に貶め、それが全体主義につながる恐れがあることを、
相当な危機感を持って警告しています。

ハイエクの主張は全くの正論だと思いますが、
現在の各国の政治や国際経済を照らしてみると、ハイエクの危惧していることが着実に進んでいるように見受けられます。

本書を読むことで本当の自由主義の考え方を理解し、その上で日常生活で起きていることを理解することが、
今の時代にこそ必要なことだと再認識させられました。
今も価値を失っていない主張 ★★★★★
本書は、第二次世界大戦におけるドイツ敗戦の年の前年、1944年に書かれたものです。
内容は、イギリスが、当時のドイツと同様に全体主義化していくことに対して警鐘を鳴らす
ものです。
このように、本書は、特殊な時期において、特定の問題について論じたものにすぎません。
しかし、結果として、本書は、普遍的な問題を極めて説得的に論じたものとなっています。

今や誰もが知っているとおり、スターリン支配下のソ連、ヒットラー支配下のドイツ、
ポル・ポト政権下のカンボジア、毛沢東支配下の中国、そして、金親子支配下の
朝鮮民主主義共和国のような全体主義社会には、次のような共通項があります。
・強大な権力がすべてを支配し、民主主義は機能していない。
・法の支配が否定され、最高権力者の意思が法を超える。
・個人の自由はまったくない。
・殺人すら辞さない人間が指導者となっている。
・真実が歪められ、権力中枢の意思を無視して、自然科学的事実を語ることすら困難である。

ハイエクは、本書において、計画経済がなぜ、全体主義をもたらすのか、全体主義社会が
なぜ、上記のような「1984年」的社会になるのか、そのメカニズムを説明し、
計画経済がそのような結果をもたらすのは、偶然ではなく、必然であることを明らかに
しています。
さらに、ハイエクは、計画経済と自由主義経済との折衷的経済というものが成立することは、
困難であって、計画経済を取り入れると、そのうちに全体主義に至ってしまう危険が極めて
高いことも明らかにしています。

その危険は、過去のものではありません。
今まさに、一部の有力なオピニオン・リーダーが、「公共計画」推進を中心とした社会に
今の社会を作り変えなければならないと主張しています。
「正義」を迅速に実現するには、計画経済を採用し、推進しなければならないという主張は、
極めて「わかりやすい」話です。
しかし、計画経済は、実際には正義ではなく、不正義をもたらします。計画経済を導入して、
推進することは、すべての人を奴隷化することになるということこそが、真実です。
この真実の話はわかりにくいために、やり方を変えれば計画経済もうまく行く、高潔な
人が指導者になれば、計画経済もうまく行くはずだと考える人が跡を絶ちません。

ですから、わかりにくい真実の話を語るこの本には、不滅の価値があると言えると思います。