追憶の日々
★★★★★
1976年に福音館書店から日曜日文庫の一冊として出たものの復刊。
著者は京大・霊長類研究所でサル学を専門にしていた人物。文章家としても知られ、多くの著書を残している。
本書は丹波・篠山で過ごした少年時代を描いたもの。モルモットを増やして小遣い稼ぎをしようとしたこと、お城の堀で変な魚が捕れたこと、淵に潜って巨大な鯉と遭遇したこと。全部で10篇が収められている。
いずれも動物好きにはたまらない内容。叙情性も十分で、傑作と呼べる一冊だろう。
私が少年時代にもっとも好きだった本の一冊で、十数年ぶりに読んだのだが、あのころの感動がよみがえってくるようだった。